読売テレビの取材に対する南海辰村建設の回答について

先日、読売テレビ「かんさい情報ネットten」という番組で、大津京ステーションプレイスの欠陥問題が放送されたことは、前回のブログ記事でもお伝えしました。

弊社と致しましては、現在もなお不安な日々を過ごされている住民の方々に対し、大変なご迷惑とご不便をおかけしていることに関して、あらためて深くお詫び申し上げます。

不安な日々を過ごされている住民の方々が、一日でも早く安全に安心して暮らせるようになるため、控訴審において弊社の主張が認められるように最大限の努力をしてまいりますので、何卒ご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。

今回は、放送された番組の中で、読売テレビの取材に対し、南海辰村建設の文書による回答が、虚言に満ちた無責任な回答であることについてお伝えしたいと思います。

① 〈電気室を通る配水管〉について

南海辰村建設は、「大覚が承認した設計図面がそのようになっており、当社は設計図面にもとづき施工を行ったものです。」と回答しています。

しかし、本件マンションの場合、弊社はあくまで事業主(施主)の立場であり、資格のある設計事務所に設計・工事監理を依頼し、建設業の許可を持っている建設会社に施工を任せたのです。

事業主(施主)が、何百枚もある設計図面を建築の専門家として、排水(配水)管がどこに通っているのか確認して承認する立場にないことは明白です。

そして、何よりも大きな問題は、電気室を管理する関西電力が電気室を検査したときは、電気室の天井に排水(配水)管は通っていなかったということです。つまり、南海辰村建設は、電気室の天井に排水管を通すことが問題ある工事だと認識していたので、意図的に関西電力の検査時には天井に排水管を設けず、検査後に排水管を設けたことになります。

このことは、関西電力をも欺く悪質な行為であると言えます。

設計図面がそのようになっていたからといって、電気室の天井に水の配管を設けることが問題ある工事だと認識しながら、何の改善策も行わず関西電力を欺いて施工する行為は、決して許されるものではありませんし、多くの入居者が暮らす分譲マンションを建設する責任ある施工会社が行う仕儀とは到底考えられません。

② 〈水没する立体駐車場〉について

南海辰村建設は、「排水設備をマンション管理会社側で、日常メンテナンスを行っていただくことにより改善できると考えています。」と回答しています。

立体駐車場の地下ピットは、大断面の基礎梁により取り囲まれています。この大断面の基礎梁が地下ピットの壁になっているのです。

立体駐車場の地下ピットへの漏水の原因は、壁になっている大断面の基礎梁に貫通クラック(基礎梁の内側面から外側面まで貫通したひび割れ)が発生し、その貫通部分を通って地下水がピット内に浸入しているからです。

それ以外に、基礎梁打継部の止水処理や地下外周部の防水処理に施工不備があることも一因しています。

次に、地下ピットに浸入してきた地下水が、なぜピット内に溜まっているのかについて説明します。

立体駐車場の地下ピットには、もともと建物の東側を一番高くして西側に向かって排水できるように自然勾配の排水孔と排水溝が設計されていました。

外部からの地下水の漏水は、あってはならないことが大前提ですが、仮に地下ピットに漏水があったとしても、排水孔と排水溝が機能していれば、地下ピット内に浸入水が溜まることは無かったかもしれません。

しかし、信じられないことに3カ所の排水孔の位置が間違って施工されていたため、一部の区間で排水が逆勾配となり、浸入水が排水できず水が溜まる状態になりました。

さらに、基礎梁の貫通クラックからの浸入水がコンクリート内部の鉄筋を錆びさせ、鉄筋の錆び汁やコンクリートの生成物を含んだ浸入水によって、排水孔や排水溝に堆積物がたまり、完全に排水孔や排水溝を塞いでしまい、現在のような水没状態になってしまいました。

このようなことが、新築半年後ぐらいから起こり始めたのです。

施工不良による漏水が、施工ミスにより排水が逆勾配となっているため、水が溜まっている立体駐車場の地下ピットをマンション管理会社が日常メンテナンスとして、排水作業を負担しなければならないのでしょうか。

南海辰村建設自らが行った欠陥工事や施工ミスに起因する立体駐車場の水没状態をマンション管理会社の日常メンテナンスに責任転嫁することこそ、自らが行った施工に対する責任というものを持ち合わせていないと言えます。

③ 〈屋上の余分なコンクリート〉について

南海辰村建設は、「本件建物の構造上の強度は十分保たれており、大覚が主張するような建替えを必要とするものではありません。」と回答しています。

弊社は、第一審において一審時の弁護士の指示に従い過ぎたため、建替え一本の主張をしていました。第一審の判決後、現在の建築裁判で建替えが認められるには、非常に高いハードルがあることを知らされました。

南海辰村建設が言うように、構造上の強度が十分保たれているのであれば、なぜ本件建物の完了検査前に、構造上の強度が安全であることを確認するための建築確認申請の再申請を行わなかったのでしょうか。(建築基準法第6条違反)

構造上の強度に問題があり、後ろめたいところがあったので、約250トンにもおよぶ余分なコンクリートを屋上に打設したことや違法な規格外のコンクリートを使用したことなどを秘匿して本件建物の完了検査を受けたのではないでしょうか。

また、南海辰村建設が「構造上の強度は十分保たれており」と言っている根拠が、第一審で南海辰村建設が証拠提出した構造耐力上安全であるとする構造計算書のことを意味しているのであれば、第一審で南海辰村建設が証拠提出した構造計算書は、都合のいい安全な計算結果となるように計算内容が意図的に操作されていることが専門家から指摘されています。(このことについては、弊社は控訴審にて主張しています)

上述しましたように、読売テレビの取材に対する南海辰村建設の回答が、いかに虚言に満ちた無責任な回答であるかということがお分かりいただけると思います。

弊社は、このような南海辰村建設の悪質な行為を許さないためにも、控訴審において徹底的に追及していきたいと考えています。

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