新築3カ月後のコンクリート診断士による診断結果と謎の転職

弊社は大津京ステーションプレイスにおいて、完了検査時の手直し工事を行わず工事現場を引きあげ、唐突に訴訟を提起してくる南海辰村建設に対し強い不信感を抱いていたところ、追討ちをかけるように入居直後の住民から、夜中に異様な騒音がすると苦情があり、調べてみると地下雨水ピットへの排水が滝のように流れ落ちていることが発見されました。

 

弊社は他にも施工不備があるのではと考え、まず構造体に問題がないか平成22年2月(新築3カ月後)にコンクリート診断士によるコンクリートの診断を行っています。
その診断結果は、新築3カ月後とは思えない衝撃的なものでした。以下に主だった診断結果の内容を列記します。

 

① 柱と梁の境目には殆んどクラック(ひび割れ)が入っている。柱と梁は一般的には一体で打設されている。本来、ひび割れを誘発させるために施工された目地にはクラック(ひび割れ)が発生せず、柱と梁の接合部に発生している点に問題がある。一部のクラック(ひび割れ)の幅は1ミリ近く(通常は0.3~0.4ミリ以下が許容値)、漏水も有る。
長期的にはこの漏水が錆水となり、鉄筋腐食を促進させる恐れがある。又、柱と梁の破断であり、構造上の問題が無いか専門家の意見が必要である。

 

② 通気通水口(あと施工コア抜き)が2本開いている梁において収縮クラック(ひび割れ)が通気通水口上に発生している。このクラック(ひび割れ)は、1ミリ程度あり、裏面からも確認できることから、貫通クラック(ひび割れ)である。

 

※貫通クラック(ひび割れ)とは、クラック(ひび割れ)のうちコンクリートの両端に達しているもの。大気や水が自由に行き来できるため特に劣化を助長させる。

 

③ コンクリートの打ち継ぎが脆弱な部分はハツリ取り補強筋を入れて、補強コンクリートを施工する。当該建物は東西に長く不同沈下のおそれがあることから、エキスパンションジョイントや収縮誘発目地を利用してクラック(ひび割れ)を防止すべきであるが、結果的にひび割れは目地部で発生せず、開口部(コア抜き貫通孔)に集中している。開口(コア抜き貫通孔)があと施工のコア(鉄筋切断)で行われている場所もあり、梁の強度が十分であるか疑問が残る。

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ひび割れの幅を測定 (コンクリート診断報告書より)

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壁面13正面図のひび割れ発生図 (コンクリート診断報告書より)
※画像をクリックすると拡大できます

新築3カ月後にして、上記のような診断結果が出れば誰でも驚きを隠せないと思います。いったい南海辰村建設はどのようなコンクリート工事を行ったのでしょうか。このような杜撰(ずさん)なコンクリート工事が行われたのは大津京ステーションプレイスだけであってほしいと願うばかりでした。


そして、このコンクリート診断士による診断結果を裁判所に証拠として提出した後に不思議な出来事が起こります。
公正・中立な立場から事実調査(診断)をしてくれていたコンクリート診断士に対し、弊社はさらなる詳細な追加調査(診断)を依頼したところ、一旦は快く追加調査を引き受けてくれました。


しかし、追加調査当日、いつもの作業着ではなくスーツ姿で現れたコンクリート診断士は、「実は、一身上の都合で会社を退職しました。今日は調査ではなくお断りに来ました。建築業界から足を洗います。」と言うのです。そして、泣き出しそうな顔をして「すいません」と一言残し我々の前から立ち去って行きました。


その後も複数の調査会社に依頼して、調査を行ってもらいましたが、調査結果を裁判所に証拠として提出すると、前述したコンクリート診断士と同様に「忙しい・・」などと遠回しに追加調査を断られ続けました。


このような事は、単なる偶然に起こったことなのでしょうか。熱心に本件マンションのコクンリート診断(調査)をしていてくれた診断士が、突然、会社を退職して建築業界から足を洗うでしょうか。
そんなTVドラマのような話・・と思われるかもしれませんが、実際に起こった事実なのです。

このブログをご覧になった方々は、この不思議な出来事をどのように思われますか?


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