大津京ステーションプレイスの欠陥マンション問題における控訴審裁判が先日開かれました。前回の裁判時に裁判長が交代され、今回の控訴審裁判から新しい裁判長が就任されることが知らされていました。
そこで弊社としては専門委員も就任されたこの機会に、大津京ステーションプレイスの欠陥マンション問題における南海辰村建設の行為が、どれだけ社会常識を逸脱しているのか、その逸脱した行為をどれだけ漫然と行ってきたのか、その非常識な行為によって、弊社は社会における一企業として、どれだけの被害と信用の失墜を被っているのか、経営陣は無論、すべての従業員やその家族などの関係者は、どれだけ大きな心痛と経済的損失を抱えているのか等々に関して、今後の本件の審理において裁判所に是非とも心に留めていただきたいこと、そしてお願したいこととして、弊社の代表(社長)が意見書を提出することにしました。
意見書の中でも、どうしても心に留めていただきたいことについては、弊社代表の口からお伝えすることが出来ました。
今回は、弊社代表が訴えかけたことを紹介したいと思います。
〈弊社代表が訴えかけたこと〉
◆今回の事件について、私が南海辰村さんに強く訴えたいことは、当社(大覚)はデベロッパーとして南海辰村建設に、分譲マンションという商品の建設を発注契約したのです。本件マンションのような欠陥商品を発注契約したのでは断じてありません。当社が発注した契約通りの商品にしてください。この建物は分譲販売を目的とする商品として発注したことは、南海辰村さんも充分ご承知の筈です。このような危険な欠陥商品を一般のユーザーさんに販売することは到底出来ません。
また、欠陥を繕っても決して元の価格で商品を販売することは出来ません。分譲マンション業者として胸を張って、正規の価格で商品を販売することが出来る建物にして下さい。
◆本件建物は分譲マンションです。分譲マンションは、「生活をする」という明確な目的があり、近年の住宅形態として支持され今後も益々供給されていくと思われます。この大きな建築物である地上14階108戸の共同住宅は、少なくとも250人以上の生活の場として、提供する為に計画され建設されたものです。
その建物を、支える一番の土台である基礎部分に重大な欠陥が有るのです。それに加えて、屋上には防水不良どころか得体の知れない245トンものコンクリートが過重されている等々の数多くの欠陥が有ります。係争以来 現在まで5年の間に今も尚、新たな欠陥が次々に発見され、既に水漏れや亀裂の箇所などは益々拡大しています。
残念なことに原審では、「本件建物は安全である」という原判決が下されてしまいました。前述しましたように、その後も基礎部分をはじめ、鉄筋の施工不良など構造耐力に直接影響を及ぼす重大な欠陥が明らかになり、原審の再審査も含め、これらの新たな欠陥の審査が控訴審で始められようとしているにもかかわらず、原判決の内容を信じた方々が、本件マンションの危険性を認識せずに今も尚、「生活を営む場」としてお住まいになっていること、また、本件マンションの一部を競売落札した業者から同様の理由で、今後本件マンションを購入されるユーザーさんがおられることに対して、私どもは、矛盾と不安をいだいています。
◆以上、これまでに申し上げました本件マンションの現状を踏まえ、どうか裁判所におかれましては、ずさんな施工および請負契約違反や建築基準法などの法令違反を漫然と行い「見つからなければ良いのだ」との考えや、構造耐力に影響を及ぼす瑕疵についてはもちろん、瑕疵やマンションとして通常の機能や性能を欠いた瑕疵についても厳しく審査いただき、これ以上本件マンションのような欠陥建物が社会に造り出されないよう、南海辰村の責任を徹底的に明らかにしていただきますよう心から望むものです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
意見書の一部を伝えた後に、弊社代表が「ずさんな施工や利益追求が目的の無断で行われた減額工事などが意図的に行われていたことについて、本当に憤りを感じています」と発言したことに対して、南海辰村建設の代理人(弁護士)は、「意図はありません」と一言だけ反論していました。
このブログをご覧になっている方々ならお分かりになると思いますが、本件マンションの欠陥・手抜き工事や無断での減額工事(スペックダウン)が「意図なし」に起こっている訳がありません。
南海辰村建設の代理人は、屋上に載っている245トンもの余分なコンクリートが風に乗って飛んで来て、自然に溜まったとでも言うのでしょうか。違法な規格外のコンクリートは、頼みもしないのに勝手に生コンクリート会社が持って来て打ち込んだとでも言うのでしょうか。バラバラの基礎は、適正な基礎コンクリート工事を行ったが、後で勝手に基礎がバラバラになったとでも言いたいのでしょうか。
「瑕疵はない」と言い続ける南海辰村建設なら、このように言うのかもしれません。
しかし、前述しましたように、弊社代表が意見書の一部を訴えかけている間、それを聞いていた南海辰村建設の社員たちに、体裁の悪そうな表情を浮かべる気持ちがあるならば、自分たちの犯したずさんな施工や無断での減額工事などを認め、施工会社として責任ある対応をとることを弊社は強く望んでいます。
5年前ではなく、今まさに、本件欠陥マンションの裁判が起こっていれば、弊社や弊社グループは倒産しています。もしそのようなことになれば、弊社のグループ社員350人とその家族1000人以上、さらには関連企業の社員やその家族3000人以上の多くの人々が路頭に迷うことになります。南海辰村は裁判での発言で「意図はない」と言っていますが、明確な悪意に満ちた意図があります。
南海辰村の悪意に満ちた意図は次回のブログで詳しく紹介したいと思います。