エピソード5 (南海辰村は裁判でも平然と嘘をつく、とんでもない悪質な企業だ!!)
今回は、これまでにお伝えしてきました大津京ステーションプレイスの様々な瑕疵(欠陥)について、弊社が裁判において主張・立証してきたことに対し、南海辰村建設は、なりふり構わず平然と嘘をつき、自らの悪質な行為を正当化するための反論を繰り返していることについて紹介したいと思います。
◆防風スクリーンの瑕疵(欠陥)に対する嘘
平成25年9月16日未明の台風18号の通過により、14階共用部解放廊下に設置されていた防風スクリーンガラス4枚が飛散落下しました。そのうちの1枚は隣接マンションの駐車場に落下、乗用車5台が破損し、別の1枚は隣接マンション受水槽を破損させ断水になるなど多大な被害をもたらしました。
落下して砕け散った防風スクリーンガラス
落下した防風スクリーンの残骸
強風により引きちぎられた固定金物
マンションの下にはJR湖西線の線路が…あわや大惨事に
マンション管理組合への回答には「本件マンションのモデルルームと同じ仕様」と書かれていたので、弊社で調べたところ、本件マンションのモデルルームは、防風スクリーンがないタイプ(角部屋)であったことが判明しました。そのことを裁判で指摘すると、南海辰村建設は、下記のような反論をしてきました。
上記反論をご覧になれば分かるように、防風スクリーンが全く関係のない製品である廊下アルミ手摺にすり替えられて、「モデルルームと同じ商品(仕様)で取り付けた」と裁判で平然と反論してきたのです。つまり、南海辰村建設は、マンション管理組合に対して事実に反したいい加減な回答をしておき、その虚偽が暴かれると今度はつじつまの合わない誤魔化しの反論を裁判でしてくるという悪質さがお分かりいただけると思います。
さらに、南海辰村建設社長は、防風スクリーン飛散落下事故について「当該マンションには瑕疵は存在せず、安全性も確保されていると認識しております。」とマンション管理組合に回答していたにもかかわらず、南海辰村建設は飛散落下した防風スクリーンの箇所だけではなく、全ての防風スクリーンに対して、固定金具の厚みを厚くして仕様変更し補修を行っています。(補修方法にも、問題はあります。詳しくは、ブログ記事『防風スクリーン補修工事に見る杜撰(ずさん)な企業体質』をご覧ください)
飛散落下していない全ての防風スクリーンを補修するという南海辰村建設の行為は、自らが行った防風スクリーンの取り付け施工に瑕疵(欠陥)があったことを認める行為であることは誰が見ても明らかです。それにもかかわらす、企業の代表者(社長)が「瑕疵は存在せず、安全性も確保されている」と書面を送ってくるのですから、南海辰村建設とは本当にとんでもない悪質な企業です。
◆基礎コンクリートが一体化しておらずバラバラになっている瑕疵(欠陥)に対する嘘
大津京ステーションプレイスには多くの欠陥が確認されています。中でも、基礎コンクリートの打継ぎ不良により、基礎部分において柱と柱をつなぐ基礎梁という部材が柱と一体化していなかったり(くっついていない)、基礎梁自体が3分割、4分割になっていたり(バラバラになっている)していることが調査によって確認されており、構造耐力上重大な瑕疵(欠陥)であることが判明しています。
打継ぎ不良により、抜取ったコンクリートは一体化していなかった
上記専門家の意見書で述べられているように、基礎コンクリートが一体化しておらずバラバラになっている欠陥(瑕疵)によって、本来、建物に要求されるべき構造耐力が半分以下に低下しており、基礎コンクリートが一体化しておらずバラバラになっている欠陥(瑕疵)の原因は、適正なコンクリート工事が行われなかった施工不備によるものであると指摘されています。
基礎コンクリート打継部について、コンクリートの鉛直及び水平打継部において施工不良があり、コンクリートが一体していない事(バラバラの基礎)に関して、南海辰村建設は控訴審が始まった当初、平成25年11月20日付けの準備書面では、「ひび割れ部」と反論していました。つまり、基礎コンクリート打継部における一体化不良(バラバラの基礎)を「ひび割れ部」と誤魔化していたのです。
ところが、平成27年3月12日付け南海辰村建設の準備書面では「打継部に不具合が存する場合は補修(注入工法)がある」と記載されおり、「ひび割れ部」が「打継部に不具合」という表現に変わってきていることが分かります。このことは、弊社が基礎コンクリート打継部における一体化不良(バラバラの基礎)について、調査や検証を積み重ね瑕疵の立証を手厚くしていることに対して、南海辰村建設が基礎コンクリートの打継ぎ不良を「ひび割れ部」と誤魔化しきれなくなってきており、瑕疵の存在を認めざるを得ない状況に追い詰められていることが窺えます。
◆バラバラになっている基礎の補修方法に関する嘘
基礎コンクリートの鉛直及び水平打継部において施工不良があり、コンクリートが一体していない事(バラバラの基礎)について、南海辰村建設は補修方法として(財)土木研究センターの技術審査証明を取得している注入工法を採用すると主張しています。そのことに関して、南海辰村側の専門家(工学博士)も意見書の中で「技術審査証明を取得しており問題ない。コンクリートひび割れ部への注入材の充填性能が確認された工法であり補修方法は妥当である」と主張していました。
ところが、南海辰村建設が採用するとしていた注入工法のメーカーに確認したところ、南海辰村建設が採用するとしていた注入工法は、技術審査証明を取得していない注入工法であることが判明しました。驚くことに、南海辰村建設は採用するとしていた注入工法と類似の「異なる注入工法の技術審査証明書」を裁判所に証拠として提出していたのです。
このような南海辰村建設の行為は、裁判所をも欺こうとする悪質な行為であることは言うまでもありません。また、この悪質な南海辰村建設の行為を手助けするかのように「技術審査証明を取得しており問題ない。コンクリートひび割れ部への注入材の充填性能が確認された工法であり補修方法は妥当である」などと虚偽の意見書を作成する専門家(工学博士)についても、専門家に有るまじき行為であり決して許されるものではありません。
この専門家(工学博士)は、一体どのような意図があって南海辰村建設が主張する補修方法が妥当であると意見書に記述したのでしょうか。(それとも記述させられたのでしょうか?)大いに疑問を感じるところです。
◆コンクリートの施工不良(瑕疵)に対する嘘
(南海辰村建設は、文献著者の意図する事を都合のいいように捻じ曲げて裁判主張に悪用している。)
大津京ステーションプレイスにおいては、JIS規格外の違法コンクリートが使用されており、さらには、ずさんな施工によってコンクリートに数多くのひび割れが発生し、ジャンカと呼ばれる施工不良箇所も200箇所以上発見されています。
また、基礎コンクリートが一体していない事(バラバラの基礎)もあり、立体駐車場(地下ピット)は、コンクリートの打継ぎ不良箇所や貫通したひび割れ箇所からの漏水により、水没し使用できない状態になっています。
弊社は上記のような有識者の指摘を受けて、違法コンクリートの使用やずさんなコンクリート施工により、コンクリートの品質が低下しており問題があることを裁判で主張していました。この弊社の主張に対して、南海辰村建設側の専門家(工学博士)は、コンクリートに関する文献『ひびわれのないコンクリートのつくり方』(日経BP社)を引用して、下記のような反論をしてきました。
上記、南海辰村建設側の専門家(工学博士)の意見書に引用されていた文献『ひびわれのないコンクリートのつくり方』(日経BP社)には、コンクリートの特性について長年の研究と実験をもとに、コンクリート施工の見直しや改善について記載されています。「コンクリートは品質のばらつきがある為、施工には十分な検討・検証を行ってから施工しなければならない」という文献内容です。
信じられないことに、南海辰村建設側の専門家(工学博士)は、この文献の「コンクリートの不均一性は材料の特性上やむを得ないものであり」という部分だけを抽出して、「コンクリートが不均一でも品質に問題がない」と記述した意見書を裁判に提出してきたのです。
つまり、文献『ひびわれのないコンクリートのつくり方』(日経BP社)の著者の意図を捻じ曲げて文献を悪用したのです。弊社は文献『ひびわれのないコンクリートのつくり方』(日経BP社)の著者に直接連絡を取り、著者に文献が悪用されていることを説明し、このような文献の悪用は許されない主旨の意見書をお願いところ、快く引き受けてくださり下記のような意見書を作成してくださりました。(この意見書は、裁判所に提出しています)
裁判所に提出しています
このように南海辰村建設は、自らの主張を正当化させる為ならば、他人の文献でさえ都合のいいように捻じ曲げて解釈し、悪用するとんでもない悪質な企業なのです。
今回紹介しましたように、南海辰村建設は、なりふり構わず平然と嘘をつき、自らの悪質な行為を正当化するための反論を繰り返し、本件マンションにおける数々の瑕疵(欠陥)を未だに認めようとはしていません。嘘で証拠を塗り固め、瑕疵(欠陥)と判っていても素直に認めようとはしないのです。
南海辰村建設のホームページの2015年5月15日付IR情報に「代表取締約の移動および社外取締役候補者の選任ならびに執行役員人事に関するお知らせ」が掲載されていました。平成27年6月24日開催予定の第72回定時株主総会ならびにその後の取締役会において、代表取締役会長と社外取締役の就任について決定する旨が記載されています。
大津京ステーションプレイスの建設時から数えると、今回の代表取締役異動が3人目になります。これを機に南海辰村建設の本件欠陥マンション訴訟に対する不誠実かつ見苦しい姿勢を改めて頂きたいと弊社は望んでいます。
また、新任社外取締役候補者の略歴には「大阪工業大学工学部建築学科特任教授」と記載されています。
弊社は、これまで多くの専門家や有識者に本件マンションを調査・検証していただき、重大な瑕疵は存在するとの指摘を受けています。今回の新任社外取締役候補者は、地震工学等が専門であり、耐震に対する広い見識を持った建築学科の特任教授です。大学教授という公正中立な立場から、本件マンションの重大な瑕疵について現地に足を運び、専門家の視点で本件マンションを正しく認識し、建物の安全性に関する適切な判断を下していただき、南海辰村建設が問題解決に向けて、その法的責任と社会的責任を果たすことを弊社は切に望んでいます。
読者の皆さま、次回「エピソード6」を楽しみにお待ちください。