建築訴訟を通して伝えたいこと

私は第一審から欠陥マンション裁判に関わっている者です。ここ数年、大津京ステーションプレイスには毎日のように足を運び、瑕疵(欠陥)の調査をしてきました。調査の当初から信じられないような瑕疵(欠陥)が次々に見つかったので、この事実が裁判で明るみになれば建替えを求める我々の訴えが間違いなく認められるものとずっと信じてきました。

 ところが、平成25年2月26日、大阪地裁が出した判決には、我々の主張はほとんど認められていませんでした。多くの瑕疵(欠陥)項目について判決文には「…が瑕疵(欠陥)に当たるとまではいえない」という文字が数多く並んでいました。また我々が主張していた多くの不良個所の施工やり直しについても「その必要性は認められない」とまるで決まり文句であるかのように片付けられていたのです。

 この裁判から、日本の建築裁判では建替えはなかなか認めてもらえないという現実を知らされました。また、我々の思っている一般的な建物への安全基準と裁判での安全基準には大きな隔たりがあると強く感じました。言い換えれば、施工業者に対して、完成した建物に重大な瑕疵があったとしても社会経済的に大きな損失をもたらすとして、建替えまで要求されないのです。

 弊社と同じように、施工者にやりたい放題のずさんな工事をされながら法廷では訴えが通らず、泣き寝入りを強いられ苦しんでいる建築主やマンション住民が多くいるのではないでしょうか。また、解決までに長い期間を要することが多い建築裁判において莫大な訴訟費用がかかるため、訴えを躊躇、または諦めざるを得なかった方々も数多くいるのではないでしょうか。

 このブログを通して我々が経験し、感じた建築裁判の矛盾、施工業者への不信感などを欠陥住宅で苦しんでいる多くの方々と共有したいと思っています。多くの方々と思いを一つにすることで建築裁判の矛盾を変えていきたいと願っています。 


(社員K)


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