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欠陥被害に遭わない方法

私たち大覚がこれまで本サイトとブログを通して皆様にお伝えしてきたことを振り返ってみますと、大きく二つのことにまとめられます。
一つは欠陥マンションを施工した南海辰村建設のずさんな工事について検証結果を公表すること。
もう一つは、第一審、控訴審を通して私たちが得た裁判での様々な経験をお伝えすることです。
建築裁判において被害者は瑕疵(欠陥)項目を一つ一つ丁寧に立証していくしかないのですが、それには莫大な費用と時間、労力がかかります。
私たちはこの困難な検証作業を現在もなお継続しております。
私たちの経験をもとに欠陥建物の被害にあわないためのチェックリストを作成しました。施主(事業主)の皆様やこれから住宅・マンションを購入予定の皆様のお役に立てていただければ幸いです。
 ●マンション、住宅を建設するときの確認項目

1.契約前

  • 設計者、監理者、建設会社の選定は建物の規模と用途に見合う実績、経験があるかを確認し、信頼できる業者に発注する。
  • 設計者と工事監理者、建設会社が各々の利害関係のない者同士を選ぶ。
  • 最低でも3社から見積りをとり、見積書の内容を第三者の専門家に査定してもらう。
  • 定期メンテナンス、及び対応の迅速な業者を選ぶ。

2.着工前

  • 確認申請書(構造計算書)があるか確認する。
  • 現場代理人、主任技術者の履歴書確認、着工前面接を行う。
  • 下請け業者選定は、名簿を提出してもらい、適正かどうか第三者の専門家に相談する。
  • 作業責任者は、出来るだけ1級技能士を現場従事させる。

3.構造体

<コンクリート編>

  • 生コンクリート伝票でJIS規格材料か確認する。
  • コンクリート打設後、翌日に型枠を取り外してはいけないので、確認する。
  • 型枠取外し後のコンクリート面に穴やひび割れがなく綺麗に仕上がっているか確認する(不都合な箇所が見つかれば写真撮影し指摘する)。
  • アンカーボルトが基礎に埋め込まれているか確認する(木造住宅基礎工事)。
  • コンクリートの柱、梁(はり)などの寸法が図面と合っているか確認する。
  • 雨天時、コンクリート作業は構造体に悪影響を及ぼす為、作業を中止させる。

4.仕上げ工事

  • 防水保証書を確認する(例:アスファルト防水、シート防水類は10年保証、コーキング防水は6年保証)。
  • クロス貼り下地の凸凹がないか確認する。
  • 床が傾いていないかパチンコ玉を置いて転がるかどうか確認する。
  • 床材、壁、天井材にキズ・汚れがないか確認する。
  • 木枠に目立つ節や割れ、反りがないか確認する。

5.建具工事

  • 扉、ふすま、障子の建付けは良いか確認する。
  • 建具にキズ・汚れがないか確認する。
  • ドアの開閉がスムーズに作動するか確認する。
  • 引き戸が閉まる際に大きな音がしないか確認する。

6.住宅設備工事

  • 契約内容と同じ設備機器か確認する。
  • 排水がスムーズに流れるか確認する(キッチン、浴室、洗面所、便所など)。
  • 室内照明、コンセント、スイッチ、電話、インターネット、テレビ接続位置と仕様が契約内容、打ち合わせで決めた位置か確認する。
  • マンションの場合、電気室内に水の配管がないか確認する。
  • 自動火災報知機が適切に配置されているか確認する。

7.工事期間中

  • 設計者、施工者と工事前、工事中、竣工後よく打ち合わせする(議事録を作成し保存しておく)。
  • 工期を厳守してもらう。
  • 施主(事業主)はできるだけ工事現場に足を運び、現場立会検査を行う。
  • 契約内容の変更や追加を行う時は、その都度、書面にて合意契約する。
  • 設計図記載材料同等品は製品の質を落とされる可能性があるので、よく注意する。
 ●住宅購入の際の確認項目
  • 購入物件の前用地の確認をする(例えば、田んぼであったら軟弱地盤かもしれないので、その対策がなされているか確認する)。
  • 建物に問題がないか、施工中の写真を提出してもらい、第三者の専門家に確認してもらう。
  • 汚水、雑排水のルートの説明を求め、メンテナンスが容易であるか確認する。
  • 土地と建物の登記簿謄本を自分の目で確認する。
  • 重要事項の説明記載内容に漏れがないか確認する。
  • 購入後もメンテナンス対応をきちんとしてくれる不動産会社を選ぶ。
 ●物件引渡しから支払いまでの確認項目
  • 施主検査前に必ず工事監理者検査を実施してもらい、検査結果を提出してもらう。
  • 手直し工事完了を確認してから引渡しを受ける(それまでは引渡書類、鍵は受け取らない。当然、入居及び支払いはしてはいけない)。
  • 建築に詳しい知人、または第三者チェック機関などを利用して施主検査に臨むこと。
 ●住宅・マンション購入後、トラブルになったときの確認項目
  • 訴訟にならないように相手と話し合う。
  • 話し合いがうまくいかない場合は、建築に詳しい知人、または第三者の専門家に相談し、十分検討してから再度相手と話し合う。
  • 行政に相談しても対応してもらえない場合が多い。
 ●トラブル後の弁護士選びの確認項目

 

  • どうしても相手と話し合いで解決しない場合は、建築訴訟には莫大な費用と労力、時間を費やすことを肝に銘じて弁護士に相談する。
  • 裁判で戦っているのは、弁護士だけではなく、自分自身であるという自覚を持つこと。
  • 建築の専門知識のある弁護士を選ぶこと。
  • 依頼者と弁護士が一体になって戦う体制をつくる。
  • 依頼者の立場に立って物事を考えてくれる弁護士を選ぶこと。
  • 訴訟相手の陳述書を依頼者と共に十分に協議してくれる弁護士を選ぶこと。
  • 依頼者に対し、安易に「勝てる、勝てる」と言う弁護士を信用してはならない。
  • 建築裁判は長期に及ぶことが多い。出来るだけ早期に終わらせるよう努力する。
  • 弁護士費用は負けても支払う。勝っても支払うことを認識しておくこと。
 ●建築裁判での確認項目
  • 建築裁判では「建替え」は、完成した建築物を建替えることは社会経済的に大きな損失をもたらすと判断されるため、容易に認められない。
  • 欠陥建築被害者は瑕疵(欠陥)項目の調査を一つ一つ積み上げて立証していくことが大切である。
  • 建築裁判では瑕疵(欠陥)が認められても該当箇所を補修出来るとして、簡単に判決が出てしまう場合がある。
  • 過去の判例を見ると、瑕疵(欠陥)による不具合や事故、問題が発生してからでないと瑕疵(欠陥)であると認められないことが多い。
  • 建築裁判では、相殺行為は絶対にしてはならない。
 ●建築裁判の実態について
  • 建築裁判では大手企業が勝訴する場合がほとんどです。その理由の一つとして、裁判が長期化した場合、建物の調査費用や裁判資料作成費用、弁護士費用に莫大な負担がのしかかり、中小企業は裁判継続を断念せざるを得なくなるからです。大手企業は様々な手口で裁判を長期化させようとし、弱者である中小企業の経営体力を消耗させる手法をとります。
  • 結果として、中小企業は存続の危機におちいる場合も少なくありません。

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