カテゴリー

床の仮設開口部の補強筋が不足している

各階住戸コンクリート床の仮設開口部(45cm×100cm)及び廻りの配筋が適切でなく、将来コンクリート床のたわみ、クラックが発生する事が予想される。

k01

床の仮設開口(荷揚げ開口)とは、型枠を取り外した後に直接、上階に型枠材を上げる為に設ける仮設用の開口である。
よって、開口補強やその開口部の塞ぎは構造図通りに施工し、構造体に悪影響を与えてはいけない。


k02

しかし、調査結果から、構造図通りに施工はされていなかった事が判明した。


k03

構造図(構造) S-5に記載されている配筋をしなければならない。
仮設開口寸法は、第三者調査機関で調査をした所、
45cm×1m=0.45㎡であり、
青色囲い部が適用されるが、赤色囲い部の方を採用しており、間違った配筋である事が判明した。
しかも、仮設開口の塞ぎ部の配筋方法も、下図のような施工をしており、落下する危険性が高い。

k04

梁からL2(39㎝以上)補強筋をのばし、長短方向6-D13の補強筋を設置しなければならない。

6-D13の6とは上下各3本の合計6本の意味である。



2015/12/k05.jpg

施工写真から、適正な配筋で無いことが発覚した。
赤ラインは、現状鉄筋位置であるが、本数は少なく鉄筋も短い。

2015/12/k06.jpg

青ラインが、構造図通りの配筋方法を示すが、現状写真を比較すると、鉄筋の長さ、本数が明らかに違う事がわかる。
建物全体でこの開口部の補強筋数量比較をすると12トンの鉄筋が不足している。


【401号室 天井RC面撮影】
2015/12/k07.jpg

荷揚げ開口寸法:450㎜×1000㎜

2015/12/k08.jpg

第三者機関による配筋探査位置図

2015/12/k09.jpg

2015/12/k10.jpg

2015/12/k14.jpg

開口補強筋の上筋が2本しかない。
また、鉄筋長さが短い。
設計では上筋が3本であり、構造体梁から39㎝以上伸びていないといけない。


2015/12/k11.jpg

2015/12/k15.jpg

開口補強筋が2本しかない。
設計では3本


2015/12/k12.jpg

2015/12/k16.jpg

荷揚げ開口の塞ぎにおいて配筋がシングル配筋であった。(かぶり厚さが13cm)
設計スラブ厚20㎝設計はダブル配筋(上下筋)


2015/12/k13.jpg

2015/12/k17.jpg

荷揚げ開口の塞ぎにおいて配筋がシングル配筋であった。
設計はダブル配筋(上下筋)


検査結果:

スラブ開口補強筋とスラブ開口塞ぎ部の鉄筋が適正に設置されていない。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。