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法を盾にした権利の濫用(らんよう)

平成22年8月、権威ある第三者調査機関の調査結果が完了し、その結果報告を踏まえ、マンションに重大な瑕疵(かし)があることが判明した。

大覚は、事業主責任として、入居顧客への説明会を開催した。

南海辰村建設に対し、調査結果を通知し早急な対策を要請したが、南海辰村建設は「諸官庁の建物完了検査済証も問題なく全て取得完了いたしました」、さらに耐震構造上問題がないと主張し、挙げ句の果てには「瑕疵(かし)はない」との書面を入居顧客全員に対し、無断で配布するに至った(下記参照)。

大覚は説明会後、一部の顧客から買い戻しを切望されたが、大覚は買い戻しをする法的義務はなく、本来なら施工者・南海辰村建設の責任で対応すべきことであったが、一切対応しなかった。大覚は地元密着の企業でもあり顧客に対する道義的責任から、顧客の要望に応じ南海辰村建設の代わりに買い戻しを行った。その後、次々に買い戻し希望者が現れ、現時点では27戸にも及び、その総額は約7億円にも上った。

南海辰村建設は、既に十分な債権確保として大覚の多数の物件を差し押さえているにも関わらず、大覚が買い戻した27戸の住戸を、更に追い打ちをかけるように、差押えの準備をしている。

この一連の行為は、南海辰村建設が自社の施工ミス・多数の重大な瑕疵の事実を表面化させないために「隠蔽」しようとしているものである



南海辰村建設より、以下の文面が居住者全戸に、弊社の了解なしに配布された。
その内容は多くの矛盾を含んでおり、また事実無根の記述が多数あり、居住者に誤解を与えるものであった。

平成22年12月22日

大津京ステーションプレイス
住民の皆さまへ

南海辰村建設株式会社

拝啓

師走の候、皆さまにおかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

当社、南海辰村建設株式会社は、大津京ステーションプレイスを施工させていただいた総合建設会社でございます。今般、インターネットに書き込み等があった建物の経緯についてご報告させて頂きます。

当社といたしましては、施工に際し事業主・株式会社大覚様が選任された設計事務所 株式会社HIROプランニング(※①)様の工事監理の下で指示・承認を頂くとともに事業主側の管理者にも報告し、確認を頂き工事を進めてまいりました。また諸官庁の建物完了検査済証も問題なく全て取得完了致しました(※②)。また、平成21年10月には事業主検査およびマンション購入者様の内覧会を行い工事の手直しを完了させました。

以上のように、マンション工事のルールに基づいて工事を完了させ、事業主・株式会社大覚様への引き渡し日(平成21年11月13日)を迎えることとなりました。

ところが、引き渡し当日になって事業主・株式会社大覚様は当マンションに問題があると主張し、販売済み住戸のみ引き取り、販売できていない住戸は引き取れないと申され、建物に関わる工事代金(約15億6千万円)、オプション工事費、追加工事費の支払いを拒否されました(※③)。

当社といたしましては、そのような状況下であっても購入者様の方々にご迷惑をおかけしてはいけないと判断し、工事代金等の支払い確約が取れない状態で建物を引き渡し致しました(※④)。その後再三にわたり工事代金等の支払い要求を行いましたが、平成21年12月になってもまったく入金がなかったため、年明けの平成22年1月に支払い請求の訴訟を起こし、現在も係争継続中でございます。

先般、住民の皆さま方におかれましては、事業主である株式会社大覚様から当マンションが耐震構造上問題があるかのような(※⑤)説明を受けられたと聞いており、たいへんご心配をおかけしているかと存じますが、当社といたしましては先ほど述べましたとおり、法的に何ら問題はないと判断しておりますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

なお、1年点検につきましても(※⑥)、当社で実施させて頂く旨、すでに株式会社大覚様に申し入れておりますので、申し添えます。

敬具


解説

※①・・・

大津京ステーションプレイスの工事以前より、南海辰村建設は株式会社HIROプランニングと組んで多数のマンションを施工していた事実がある。

※②・・・

屋根荷重、及びその他多くの箇所において、確認申請書通りに施工されていなかった。

※③・・・

両社10名ずつが立会い互いに確認した手直し工事(合計800箇所)が完成していないまま、支払い請求をしてきた。また南海辰村建設からの回答は「支払いが確認できた後、手直し工事の相談に乗る」という、有り得ないものであった。

※④・・・

入居者住戸のみ手直しをしたが、共用部及び残住居48戸については手直しはされておらず、当社は「手直し完了後に支払いします」と、十数回に渡り書面にて手直し依頼をしていたが、2回目の検査以降手直しをせず現場を引き上げた。

※⑤・・・

耐震構造問題は実在しており、(「構造耐力の欠陥」ページはこちらをクリックしてください)言い逃れできるものではない。

※⑥・・・

南海辰村建設は1年点検を実施していない。

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