前回のブログ記事では、MBS毎日放送「VOICE」の取材に対する南海辰村建設の回答は、メディアをも欺く事実を捏造した悪質なものであるとして、取材での質問と回答を2つ紹介しました。
今回と次回の記事に分けて、残り2つの質問に対する南海辰村建設の回答も、事実に反する虚言に満ちた回答であることについて、前回に引き続きお伝えしたいと思います。
〈MBS毎日放送の質問 ③〉
- 施工において、当初の図面から無断で多数の変更が行われたと大覚が主張する点について「変更は大覚側も了承していた」とのお立場と理解しているが、この事実関係について
これに対し南海辰村建設は、「図面等の変更を行う場合は、発注者である株式会社大覚および設計監理会社との協議を経て行います。第一審より、株式会社大覚は上記のような主張を行っておりますが、当社では、協議ごとに「打合せ記録」を作成しております。また、「打合せ記録」には、参加者の押印またはサインを頂いており、協議内容に了承をしたとの明確な意思表示を頂いております。もちろん当社が保管しております「打合せ記録」において株式会社大覚の担当者のサインを頂いており、大覚側が作成した販売用パンフレットにも変更内容が反映されているので、当社が無断で図面を変更したという事実は一切ありません。」と回答しています。
南海辰村建設は、スペックの高い契約図面で工事請負契約を締結しながら、実際にはスペックの低い減額図面に基づいて工事を始め、工事中さらにスペックダウンした工事を行うことにより、詐欺的行為とも言うべき不当な利益(2億6千万円)を含んだ工事代金を弊社に請求していました。
それでは、なぜ本件建物には契約図面以外にスペックの低い減額図面(最終合意図面と称する図面)が存在するのでしょうか。
理由は上述しましたように、南海辰村建設は、不当な利益を上げるために意図的にスペックの高い契約図面で工事請負契約を締結しておき、契約図面よりスペックの低い工事を行うため、最終合意図面と称するスペックの低い減額図面が必要だったからです。
まず、「打合せ記録」には、参加者の押印またはサインを頂いており、協議内容に了承をしたとの明確な意思表示を頂いております。もちろん当社が保管しております「打合せ記録」において株式会社大覚の担当者のサインを頂いており、」についてです。ここで南海辰村建設が言っている「打合せ記録」とは、定例会議の「打合せ記録」のことです。
本件建物の場合、弊社はあくまで事業主(施主)の立場であり、資格のある設計事務所に設計・工事監理を依頼し、建設業の許可を持った建設会社(南海辰村建設)に施工を任せたのです。
工事中における事業主の立場(注視する点)は、事業計画に支障が出ないように工程や安全管理体制の確認を行うのが主たるもので、建築の専門家として技術的な工事の確認や了承を行うものではありません。
南海辰村建設が言う定例会議の「打合せ記録」に弊社担当者のサインがあるというのは、単に定例会議での協議・打合せに参加していたことの記録を示すものにすぎません。
建築の専門知識を持たない弊社担当者が、建物の構造や設備といった専門知識を要する工事内容(図面)の変更を単独で同意するなどということは、現実的にあり得ないことです。
本来、本件建物の工事内容を変更する場合は、本件建物の工事請負契約約款第28条3項の規定により、南海辰村建設が弊社に対して「工事内容の変更および当該変更に伴う請負代金の増減額」を提出し、かかる提案を受けた弊社が「書面による承諾」を行った場合に初めて契約内容(工事内容)が変更することができると定められているのです。
しかも驚くことに、工事内容(図面)の変更に伴う請負代金の増減額見積書は、1つも存在しないのです。本件建物においては、工事請負契約書に添付されている契約図面の請負代金見積書が唯一存在するのみです。もちろん、工事内容(図面)の変更に対する弊社の「書面による承諾」も存在しません。
そもそも弊社が、工事内容(図面)の変更に関する請負代金の増減額見積書も存在しない状況で、社内決済を行い「書面による承諾」をするなどあり得ないことです。
南海辰村建設は、無断に工事内容(図面)の変更を行い、不当な利益を上げようとした詐欺的行為を正当化するために、定例会議に弊社担当者が同席していたことを口実に、工事内容(図面)の変更については、弊社の同意があったとする全く不合理な主張をしているだけなのです。
次に、「大覚側が作成した販売用パンフレットにも変更内容が反映されているので、当社が無断で図面を変更したという事実は一切ありません。」についてです。南海辰村建設が、無断で工事内容(図面)の変更を行っていた箇所は多岐にわたります。パンフレットに記載されているような表面的なものから構造体や設備などの隠蔽部分まで数多く存在します。
中でも構造体に関しては、杭や柱の大きさ、構造体内部の鉄筋の数などが変更されており、建物が完成してからでは分からない隠蔽部分をねらって行うなど極めて悪質です。
南海辰村建設が言うパンフレットにあるようなごく一部の表面的な仕様が、たまたま変更内容に一致していたことを口実に、上記のような後からでは分からない隠蔽部分において、多数の無断変更を行っておきながら、「当社が無断で図面を変更したという事実は一切ありません。」と回答していることに強い憤りを感じずにはいられません。(よくも虚言をこれだけ次から次へと並べられるものです)
上述しましたように、MBS毎日放送の取材に対する南海辰村建設の回答は、メディアをも欺く事実を捏造した悪質なものです。自らが行った違法行為やずさんな手抜き工事について、論点をずらして正当化するために虚偽の回答をしていることがお分かりいただけると思います。
MBS毎日放送の取材で、南海辰村建設への質問はあと1つあります。残り1つの質問への南海辰村建設の回答も、事実に反する虚言に満ちた回答であることについては、次回のブログ記事で引き続きお伝えしたいと思っています。