南海辰村建設には、「誠意」という言葉は使ってほしくない

先日、読売テレビ「ミヤネ屋」において、大津京ステーションプレイスの欠陥マンション問題が放送されたことは、これまでに訴訟専用サイトや本ブログでお伝えしました。

放送の中で紹介された本件マンションの数々の瑕疵(欠陥)について、番組の文書取材に対する南海辰村建設の回答は、「構造上の欠陥はないものと認識しておりますので、ご安心してお住まいいただきたく存じます。今後も施工業者として、誠意をもって対応させていただく所存です」というものでした。

この南海辰村建設の回答には、番組を観ておられた多くの方々が、違和感(疑問?)や不快感を持たれたようです。これまでにも南海辰村建設は、IR情報や種々の文書において、「誠意をもって」という言葉を多用しています。

今回は「今後も施工業者として、誠意をもって対応させていただく所存です」という南海辰村建設のコメントに対し、これまでにどれだけ「不誠実」な対応を南海辰村建設は行ってきたかということについて、防風スクリーン落下事故を例に挙げてお伝えしたいと思います。

昨年9月の台風18号により、大津京ステーションプレイス14階防風スクリーンが落下し、隣接マンションに駐車してあった乗用車や隣接マンションの受水槽、近隣店舗の外壁に損害をもたらしたことはこれまでにもお伝えしてきました。

この防風スクリーン落下事故は、一歩間違えば「あわや大惨事」にもなりかねない重大な問題であることは言うまでもありません。また、防風スクリーンの落下原因は、防風スクリーンの取り付け工事がずさんだったことが原因であることもこれまでに指摘してきました。

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この落下事故については、本件マンション管理組合から、南海辰村建設に対して、防風スクリーンの安全性には問題があるとして、防風スクリーンを安全に取り付け直すように申し入れが行われました。この申し入れに対して、南海辰村建設社長からは、「14階防風スクリーンが落下するという事態については、施工業者として人命を第一に考え早急に対応させていただく」としながらも、「当該マンションには瑕疵は存在せず、安全性も確保されているものと認識しております」と落下事故によって不安な思いをされている住民の方々の感情を逆なでするような文書が本件マンション管理組合に送られています。

そもそも、人命を第一に考え早急に対応しなければならないような事故が起こっているにもかかわらず、「瑕疵は存在せず、安全性も確保されている」と言い切るような施工業者(南海辰村建設)のどこに「誠意」があるというのでしょうか。

さらに、防風スクリーン落下事故による隣接マンションや近隣店舗への損害(隣接マンションの乗用車5台損傷、隣接マンションの受水槽ケーブル切断による断水、近隣店舗の外壁損傷)の修理費用が本件マンション管理組合に請求されることに関し、本件マンション管理組合から南海辰村建設に対して、「防風スクリーン落下による隣接マンションや近隣店舗への損害については、本件マンション管理組合に非は全くないと考えているので、損害の修理費用を南海辰村建設に弁償していただきたい」という申し入れが行われました

この申し入れに対する南海辰村建設の回答は、「竣工後の1年検査やメンテナンスをさせていただいていない状態の当該マンションに対して当社に全面的に責任があるとは考えておりません。スクリーン落下の原因についても現在検証中です。

従いまして、メールにてご記載のありました近隣住民の方々に対する補償に関し、全ての責任が当社にあることを前提としての今般のお申し出には応じかねます。」というものでした。

竣工後の1年検査やメンテナンスをしなければ、竣工後たった4年で落下するような防風スクリーンが本件以外で何処にあるというのでしょうか。

落下後の状況を見れば、防風スクリーンの取り付けがずさんだったことは、素人でも一目瞭然です。(竣工後の1年検査が行われていない実態については、別の機会に詳しくお伝えしたと思っています)

にもかかわらず、本件マンション管理組合の申し入れに対して、「当社に全面的に責任があるとは考えておりません。」、「近隣住民の方々に対する補償に関し、全ての責任が当社にあることを前提としての今般のお申し出には応じかねます。」というような対応しかしない施工業者(南海辰村建設)のどこに「誠意」があるというのでしょうか。

さらに言えば、本件マンション管理組合の申し入れに対する回答にある「スクリーン落下の原因についても現在検証中です」という件に関しても、防風スクリーンの落下から1年が経つ現在に至っても、今年2月に防風スクリーン補修工事の完了報告書が提出されただけで、南海辰村建設から本件マンション管理組合に対して、落下の原因等についての説明は何も行われていないということです。

また、南海辰村建設が行った防風スクリーン補修工事に関しても、これが専門業者の行った仕事なのか?と疑いたくなるようなずさんな補修工事が行われていたことについては、プログ記事「防風スクリーン補修工事に見る杜撰(ずさん)な企業体質」で以前お伝えしています。

「誠意」とは、私利・私欲を離れて、正直に熱心に事にあたる心のことを意味します。上述しましたように、体裁だけを整えるためだけに「今後も施工業者として、誠意をもって対応させていただく所存です」というコメントをしておきながら、実際には不誠実極まりない対応を行っている南海辰村建設だけには、「誠意」という言葉は本来の意味において使ってほしくないと思います。


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