訴訟の流れ
問題点
(マンガ「専門家の不可解かつ非常識な行動」はこちらをクリック)
・第一審弁護士に紹介してもらった建築構造の専門家Y氏は、大阪地方裁判所の専門委員をしていました。
Y氏は自身について「私が大阪地裁の専門委員の中で一番建築構造に詳しい。他の専門委員は構造のことは殆んど分かっていない」と言っていました。
・後に分かったことですが、専門家Y氏は、弊社の訴訟相手である南海辰村建設と接点を持っている人物でした。
大阪市内のある病院施設は専門家Y氏が工事監理を担当し、南海辰村建設が工事を請負っていました。
・南海辰村建設と接点を持っていたY氏は第一審訴訟中に自らの言動に対して、つじつまの合わないことを言い出しました。
Y氏:「屋根に約350トンもの余分な増し打ちコンクリートが打設されていて、屋根に350トンもの余計な荷重が載っていたら、建物が耐震強度不足になるのは間違いないので、本件建物を建て替えなければならない」
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その後、実際の増打ち重量は約250トンであり、「約350トンもの余分な増し打ちコンクリートが打設されている」というのは専門家Y氏の調査ミスだったことが判明
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Y氏:「屋根の余分な増し打ちコンクリートが約250トンだったとしても、耐震スリットの欠落や不良箇所が2~3箇所でもあれば、本件建物は耐震強度不足(構造NG)となる」
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Y氏の指摘により再調査した結果、耐震スリットの欠落や不良箇所が17箇所も発見された。
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耐震スリットの欠落や不良箇所が17箇所発見されたので、本件建物の構造計算を再検討してもらったところ「耐震スリットの不備(欠落や不良)がかえって建物強度を強くして
構造NGにはならない」などと予想外の理解困難な答えが返ってきた。
・第一審時に「建替えだ」と主張していたY氏は、第一審判決後、「この訴訟は初めから和解案件だと言っていた」と正反対のことを言ってきました。
・現在、調査の結果、クラック、ジャンカが300箇所、耐震スリット不備が80箇所あることが判明し、控訴審で主張しています。
※専門委員制度とは、専門訴訟において、その専門分野の豊富な知見を有している専門家(専門委員)に訴訟手続への関与を求め、専門委員が争点整理等の手続に際し、裁判官や当事者に対して公平・中立なアドバイザーの立場から、その事件において争点となっている専門的技術について説明等を行うものです。
(マンガ:「弁護士選びは気をつけてね!」はこちらをクリック)
・第一審訴訟で弊社は弁護士の指導・方針に従い過ぎました。第一審弁護士は、常日頃、「自分が船頭だから船頭の言うことに従ってください」、「病気のことは医者が一番わかっている(裁判のことは弁護士が一番よくわかっているのだから、依頼人は弁護士に従っていればよいという意味)」、「相手方から反論が無いから裁判には勝てます」と言っていました。
・第一審訴訟において弊社は相手の間違った主張に対して事実関係を調査し、証拠を揃えて陳述書を作成し、南海辰村建設に反論するように依頼したところ、第一審弁護士からは「論点がずれる」、「そんな細かいことはいい」、「構造NGの資料だけを持ってきなさい」などと言われるのみで、全く取り合ってもらえませんでした。そのため、南海辰村建設の間違った主張に対して、法廷ではほとんど反論していません。
・第一審訴訟の三年間、法廷内で弊社の代理人である第一審弁護士は何も喋りませんでした。相手側の主張に反論せず、構造に問題があることについての主張もしませんでした。また、建物調査に関わった方々を証人として法廷に呼ぶこともありませんでした。
・弊社が要求していたにもかかわらず、第一審弁護士の判断・指導により、多くの契約違反、法令違反、瑕疵(かし)の訴えが、法廷に提出されませんでした。
・第一審訴訟で「建替え一本」のみの主張を弁護士の主導で行ってしまいました。現在の裁判では「建替え」ということは容易に認められないのが、建築裁判での通例です。完成した建築物を建替えることは、社会経済的に大きな損失をもたらすと判断されるためです。弊社が「建替え一本」のみで裁判を戦うに至ったのは、第一審弁護士と第一審弁護士の紹介による専門委員による指導に従ったためです。
・第一審弁護士は、弊社に相談なく無断で費用相殺行為(南海辰村建設訴訟額約15億円 - 弊社訴訟額約53億円)を行いました。そのため、引渡しを受けたと裁判所に判断されてしまったのです。建築裁判においては差額の費用相殺行為というのは絶対にしてはならない初歩的なミスです(その結果、第一審の判決で、弊社は差額費用の金利として、1日60万円の支払いを課されました)。
・弊社は、第一審の判決を受け、控訴することを決めたのですが、控訴の手続きを第一審弁護士に依頼しました。第一審弁護士は裁判所に提出する控訴状の「請求の趣旨」の欄に「仮執行宣言」の主張をしていませんでした。つまり、たとえ控訴審で勝訴したとしても、(相手側が上告などの手続きを踏むことによって、判決の確定が持ち越された場合)判決確定まで相手から財産上の支払いを受け取れなくなってしまうということです。
・裁判は自分の責任です。弁護士と専門家の選定には自分が「相談ができ、信頼できる人」を選定しなければなりません。裁判の主導権は自分にあり、弁護士と専門家にまかせっきりではいけません。自分自身が勉強することも大切です。