平成25年9月16日未明の台風18号の影響により、14階(地上約40m)共用部解放廊下に設置された防風スクリーンガラス(120cm×120cm)のうち4枚が落下しました。1枚は約50m離れた隣接マンションの駐車場および受水槽本体に落下、乗用車5台が破損、また受水槽破損により断水になるなど多大な被害を出してしまいました。
また、1枚は60m先のレストランの壁に直撃し、被害を与えました。残り2枚は敷地内の草むらに落下、幸いにも被害はありませんでした。
弊社といたしましては、取り急ぎこれ以上の危険がないように応急措置をいたしました。
しかし、本来なら弊社はまだ南海辰村建設より引き渡しを受けていないため、このような手抜き工事による欠陥の修繕及び改善は南海辰村建築が負うべきものと認識しております。
私たちは住民の皆様と近隣方々のためにも、早急に裁判を進め、安全に安心して住める建物になるよう南海辰村建設に求めてまいります。
地上約40mこのような高さから重いガラスが落ちてきた。
幸い被害を出さなかった。
120cm×120cmとかなり大きなガラスであることわかる。
このようなものが人に当たったならば、人命に関わる大惨事となっただろう。
落下した防風スクリーンの残骸は弊社が急いで回収した。
危険のないように応急的な補修をした。
強度が足りないと、何かの拍子に人がもたれかかって地上約40mから落ちる可能性も考えられる。
防風スクリーンを取付する壁のモルタルとコンクリートの厚み
実際のアンカーを計測した写真。
アンカーが短いのは明らかだが、通常はコンクリートにアンカーを事前に打ち込んで施工する。
しかし、これは固めたコンクリート部分に穴を開けて施工されていて、そもそもの施工方法にも問題がある。
スクリーンを取付する壁の幅も80mmしかない。
通常は150mmなので、強度不足なのは明らかだ。
防風スクリーンを固定してあった個所の断面図。
固定アンカーはコンクリート部に20mmしか埋め込まれていなかった。
本来ならコンクリート部分に最低でも50mmは入っているべきものだ。
防風スクリーンを取付けるコンクリートに鉄筋が入っているか確認した。
鉄筋は入っていなかった。強度不足なのは確実だ。
固定金具自体このようにゆがんでいる。
固定金具の穴に対してワッシャーが小さいので、かかり代が十分ではない。
固定金具の穴に対してワッシャーが小さいのがわかる。
上部との固定金具(Lアングル)も切れて写真のように切れて破損してしまっている。
この金具も通常ステンレス製を使用すべきところ、強度の低いアルミ製を使用していたのが原因と思われる。