今回は、大津京ステーションプレイスの屋上に設置されている避雷針(落雷の際に、避雷針に雷を呼び込み地面へと電流を逃がすことで建物などへの被害を防ぐ設備)の固定ボルトが規定どおりに施工されていないことについてお伝えします。
屋上のコンクリート基礎に避雷針を固定するためのボルト(アンカーボルト)の長さは、規定どおりであれば締め付けたナットから3ネジ山以上の長さがなければなりません。
しかし、本件マンションの避雷針を調べてみると、固定ボルトの長さが不足しているため、2つ目のナットが固定ボルトの頂部より飛び出しており、規定どおりに締め付けられていません。
また、ナットの締め戻りを防止するために、通常はダブルナット締め(ナットを2つ締める)としますが、本件マンションの場合、2つ目のナットが外れている箇所すらありました。
固定ボルトにはキャップが被せられていた
しかし、上の写真をご覧になれば分かるように、少なくともキャップを被せる作業をする時点において、固定ボルトの施工不備に誰でも容易に気付くことができる筈ですから、施工不備を認識しながら意図的にキャップを被せたと考えられ、非常に悪質であると言えます。
このようなことは一事が万事であり、防風スクリーンのずさんな取付け工事からも分かるように、一つの小さなことに見られる傾向が、他のすべてのことに現れています。以前から本ブログでお伝えしていますように、南海辰村建設は物事をきちんと仕上げるという概念を持ち合わせていないことが、避雷針の固定ボルトの取付け方を見ても現れていることが分かります。
「一般に、ある建物の工事において、多数の施工項目のうち1つ2つの事項において不具合状態になるということは少なく、施工全般にわたるのが常である。特に、訴訟になるような場合は、施工全般のレベルが低い、そして施工管理も行き届いていない等によると考えられる」と控訴審において弊社に協力してくださっている有識者の方が、以前お話しされていたことを思い出します。