<読者の皆様へお願い>
住宅問題、建築訴訟でお困りの多くの方々に、何かのご参考になれたら、少しでもお役に立てたらという思いで、弁護士、裁判、専門委員、施工瑕疵、差押え、競売など弊社の経験を小説にしました。一日一回、にほんブログ村のそれぞれボタンをクリックして当ブログの人気ランキングアップにご協力ください。よろしくお願いいたします。
劇画版「新・覚くんの日記」第9話 (新連載)
劇画版「新・覚くんの日記」第8話 (新連載)
劇画版「新・覚くんの日記」第7話 (新連載)
劇画版「新・覚くんの日記」第6話 (新連載)
劇画版「新・覚くんの日記」第5話 (新連載)
劇画版「新・覚くんの日記」第3話 (新連載)
劇画版「新・覚くんの日記」第2話 (新連載)
マンガブログ メニューはこちら
●大津欠陥マンションの瑕疵の実態を解り易くマンガで解説!
●マンガ版『覚くんの日記』を読んで建築訴訟についてご理解くださいネ!
(連載第39回)
目 次
第十七章 苦しみに耐え、嫌がらせに耐え忍んだ3200日・前編
強風でちぎれた取り付け金具(アルミ製Lアングル)。強風に耐えられなければ防風スクリーンの役目を果たさない。簡単に折れ曲がる強度のない材料が使われていた。
「瑕疵は無い」と言っておきながら、ある日南辰はこっそりとやって来て、全ての取り付け金具を厚さ2ミリのアルミ製からホームセンターで購入した厚さ5ミリのずさんな鉄製の金具に取り替えていった。取り付け方法もずさんで危険なものだった。落下した4箇所だけでなく全ての箇所を取り換えていった。防風スクリーン落下したことによって近隣に多大な被害をもたらした。にもかかわらず、南辰の社長は「瑕疵はない」と言って、被害に対する一切の補償を断った。そのため管理組合が被害者に対するすべての補償に対応しなければならなかった。管理組合はいずれこの補償金額を南辰に請求し、南辰が管理組合に返還しなければ訴訟を起こすと言っている。
大津京ステーションプレイスの基礎梁コンクリートは3~4層にわたって水平打ち継ぎされている。水平打ち継ぎをしないのが理想、やむを得ず打ち継ぐ場合も、レイタンス除去など、打ち継ぎ処理を十分にしなければならないのだが、南辰(北海電鉄グループ)は打ち継ぎ処理を全く行っていなかった。そのため、基礎梁コンクートが一体化しておらず、基礎がバラバラで倒壊の可能性もある危険なマンションが建てられてしまった。
Youtube:「大覚 VS 南海辰村建設 続・大津欠陥マンション動画」
https://www.youtube.com/watch?v=nJipKcb-vvw
大覚が基礎梁の水平打ち継ぎ部のコンクリートコアを抜き取って打ち継ぎ箇所の状態を調べると、コアには継ぎ目がはっきりと確認できた。コンクリートが一体化していないことが明白となった。
コア抜き調査後の穴を調べると、打ち継ぎ箇所でコンクリートが分離していることを示す線がくっきりと見える。つまり基礎梁が水平打継ぎ部で分離しているのだ。バラバラで危険な基礎構造体により、大津京ステーションプレイスの構造耐力・耐久性は低下の一途を辿っている。
水平打ち継ぎ部のコアを抜き取ると、コンクリートが分離していることを示す線がはっきりと確認できた。
基礎梁の水平打ち継ぎ部から抜き取ったコンクリートコアには、分離していることを示す線がはっきりと確認できた。
基礎梁の水平打ち継ぎ部コンクリートコアは簡単に分離した。表面には白いレイタンスがはっきりと残っている。南辰(北海電鉄グループ)は打ち継ぎ部の処理を全くしていなかった。このマンションは基礎がバラバラの危険な建物だ。大きな地震が発生すれば必ず倒壊してしまう。
基礎梁が柱際で打ち継がれており、打継処理がされていなかったため、基礎梁と柱コンクリートが一体化していないことが明らかとなった。保有水平耐力も0.49などとなり大幅に不足している。建物の安全性が確保されていない。
鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアを抜き取った穴には、はっきりと鉛直打ち継ぎ部の隙間が開いていた。基礎梁と柱のコンクリートは一体化されていなかった。
平成27年9月15日の現地見分でのコア抜き調査でも柱際の鉛直打ち継ぎ部のコア抜き調査が行われた。現地見分で裁判官を含む大勢の関係者が見守る中、コア抜きが始まった。
抜きとった柱際の鉛直打ち継ぎ部のコアは、果たして一体化しているだろうか。
現地見分では地中梁から鉛直打ち継ぎ部のコアが抜き取られ、分離したコアが裁判官、専門委員に示された。裁判官は打ち継ぎ面を触って確かめた。打ち継ぎ面は打ち継ぎ処理がされておらず、すべすべだった。
柱際の鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアは初めから分離していた。南辰(北海電鉄グループ)は「JASS5」に準拠した打ち継ぎ処理をしていなかった。
鉛直打ち継ぎ部から取り出したコアは分離していた。「コンクリートコアが分離することなんてありえない」と言っていた南辰(北海電鉄グループ)は、この日を境に、「鉄筋コンクリートには、鉄筋が入っているのだから、コンクリートが分離しても問題ない」と手のひらを返したように主張を変えてきた。
現地見分でのコア抜き調査は、大覚のこれまでの調査と同じ結果だった。鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアは一体化しておらず、真っ二つに分離した。南辰(北海電鉄グループ)が適切な打ち継ぎ処理を怠っていたからだ。
ずさんなコンクリート工事により、鉛直打ち継ぎ部は初めから完全に分離していた。大きな隙間が見える。南辰(北海電鉄グループ)はコンクリートを一体化させるための打ち継ぎ処理をしていなかった。その事実を誤魔化すために、「きちんと処理をしていればコアは分離しない」と実験動画まで作って裁判所に提出していた。
コンクリートが打ち継ぎ部で分離している。構造体のコンクリートを一体化させる処理を怠り、基礎梁に大きな隙間を作っても「瑕疵はない」と言っている。南辰(北海電鉄グループ)は、建設会社であるにもかかわらず基礎梁、柱の重要さがわかっていない。9年の歳月を経てこの打ち継ぎ部の隙間は現在も広がっている。
鉛直打ち継ぎ部のコアを抜き取るとコンクリートが分離していることがはっきりわかる。構造体である基礎部分はコンクリートが一体化するように、目荒らしなどの打ち継ぎ処理をするのが建築施工の常識だが、南辰(北海電鉄グループ)はその処理を怠っていた。
基礎部の打ち継ぎ不良箇所(写真)や貫通クラックからの漏水によってコンクリート成分が固まり、鍾乳洞のようになっている地下ピット。異様な悪臭に満ち、放置していたら衛生上も危険だ。
南辰(北海電鉄グループ)が鉛直打ち継ぎ面の処理を怠っていたため、基礎コンクリートは一体化せず、打ち継ぎ箇所の隙間から地下水が絶えず侵入し続けている。隙間からは漏水とともに内部の鉄筋の錆び汁混じりのコンクリート成分が溶け出し、地下ピット壁面にこびりついている。建物の構造耐力・耐久性の低下が著しい。
地下ピットでは基礎梁の打継ぎ不良と貫通クラックによって外部から大量の地下水が侵入していた。溜まった大量の水を抜いてコンクリートの状態を調査した。漏水はコンクリート内部の鉄筋を腐食(錆び)させ、地下ピット内にエフロレッセンス(コンクリート成分)をヘドロのように堆積させていた。JIS規格外の粗悪な生コンが打設された基礎部コンクリートの打継ぎ部やクラックにはドライバーが簡単に突き刺さる。
打ち継ぎ面の施工不良により、基礎梁内部に地下水が侵入している。この地下水により、基礎梁内部の鉄筋に錆び(腐食)が発生している。建物の構造耐力・耐久性が著しく落ちている。
平成19年7月6日最高裁判決(民集61巻5号1769頁)では、設計・施工者は当該建物に建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い、この注意義務を怠ったために建築された建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵が生じたときは、原則として、それによりその生命、身体又は財産に生じた損害について不法行為による賠償責任を負うと判示しています。
平成28年8月10日付「専門委員に説明を求める事項についての回答」。
(抜粋)「打ち継ぎ処理が正常になされてコンクリートの一体化が形成されていることは、構造計算で用いる各基準書の計算式の大前提となっております。逆に言えば、コンクリートの一体化が形成されていなければ、各基準書の計算式が適用できないと言えます。」
「JASS5」は「鉄筋コンクリート」の工事標準仕様書。日本建築学会の建築標準仕様の一つで、建築工事の教科書とも言えるもの。南辰(北海電鉄グループ)が「JASS5」に準拠したまともなコンクリート工事を行っていたならば、基礎がバラバラで危険なマンションが建てられることはなかった。
本件建物の真下にJR湖西線・京阪電車(大津京駅)があり、倒壊すれば大惨事となる。
本件建物の真下を歩くJR湖西線から京阪電車への乗り換えなどの通行人。この建物が倒壊すれば大惨事となる。
本件建物の真下を歩くJR湖西線から京阪電車への乗り換えなどの通行人。この建物が倒壊すれば多くの人の命が奪われる。
赤枠内は本件建物が倒壊した時の被害範囲を示す。駅、周辺マンション、通行人に多大な被害が生じる。黄色点線はJR大津京駅から京阪大津京駅の乗り換え経路。Googleマップより。
1995年1月17日の阪神大地震で傾いた倒壊寸前のビル(ニュースサイトより)。
1995年1月17日の阪神大地震で傾いた倒壊寸前のビル(ニュースサイトより)。
1995年1月17日の阪神大地震で倒壊したビル(ニュースサイトより)。
2011年2月22日のニュージーランド地震で倒壊したビル(ニュースサイトより)。
2016年2月6日の台湾南部地震で大きく傾いた倒壊寸前のビル(ニュースサイトより)。
2016年2月6日の台湾南部地震で大きく傾いた倒壊寸前のビル(ニュースサイトより)。
2018年2月7日の台湾地震で大きく傾いた倒壊寸前のビル(ニュースサイトより)。
2018年2月7日の台湾地震で大きく傾いた倒壊寸前のビル(ニュースサイトより)。
柱の断面が欠損している。南辰(北海電鉄グループ)のずさんなコンクリート工事によって構造体の寸法が設計通りでなく、あるべき強度が確保されていない。品質保証のないJIS規格外の粗悪なコンクリートが使われていることに加え、打ち継ぎ不良による一体化不形成、断面欠損などのコンクリート不良が多数あるため、建物の構造耐力は著しく低下している。
コンクリートに異物混入。柱にプラスチックが埋まっていた。南辰(北海電鉄グループ)の工事はずさんすぎる。コンクリート不良の種類と数はどの瑕疵建物よりも多いだろう。
14階はどの住戸も天井コンクリートのコールドジョイントが著しい。屋上防水の欠陥工事によって台風や大雨の際に防水層の下に雨水が廻りこみ14階天井の不良コンクリートの隙間を通って大量の雨漏りを発生させている。
14階天井コンクリートのコールドジョイントをドライバーでつつくとボロボロと崩れてくる。このマンションにコンクリート不良がこれほど多い原因は、JIS規格外の建築基準法違反の粗悪な生コンが使われていたことに加え、南辰(北海電鉄グループ)のコンクリート工事がずさんすぎるからだ。
梁を下から見た写真。コールドジョイントが発生している。コンクリートを打ち重ねる適正な時間の間隔を過ぎてコンクリートを打設した場合に、前に打ち込まれたコンクリートの上に後から打ち込まれたコンクリートが一体化しない状態をコールドジョイントという。
梁を下から見た写真。コールドジョイントが発生している。打ち重ねた部分に不連続な面が生じ、コンクリートが一体化していないため、大きな地震がきたらこの部分から折れ、建物が倒壊してしまう。
クラックの深さを調査するためにコアを抜くと、クラックが基礎梁の奥深く貫通していることがわかった。地震によってこのような貫通クラックが発生したのではない。建設当初から建物のいたる所にこのような深いクラックが存在していたのだ。南辰(北海電鉄グループ)は基礎のコンクリート打設にJIS規格外の粗悪な生コンを使い、建築基準法に違反する工事を行っていたのだ。
構造体コンクリートに斜めに走るクラックはコンクリート部材を貫通している。建物の縦に、横に、斜めにクラックなどの隙間(鉛直打ち継ぎ不良、水平打ち継ぎ不良、コールドジョイント、貫通クラック)が走っている。コンクリート強度が確保できないJIS規格外の粗悪な生コンを使ったことに加え、ずさんな工事によって無数の異物混入・ジャンカ・断面欠損を発生させた。さらに構造体はバラバラだ。これほど危険な建物はない。大きな地震が来たら必ず倒壊する。
基礎コンクリートには水平方向、鉛直方向の打ち継ぎ不良と、縦、横、斜めに走る貫通クラックが数えきれないほど存在する。これらの隙間を通って外部から地下水が侵入し続けている。建物に与える悪影響は計り知れない。
基礎部に数多くのクラックが存在している。南辰はクラックが発生しやすいJIS規格外の違法で粗悪な生コンを使用していた。ずさんな施工で耐震スリットの位置がずれたことによりクラックが発生するなど、その原因は多様だ。
地下ピットには基礎梁コンクリートの打ち継ぎ不良箇所の隙間を通って地下水が侵入し、コンクリート内部の鉄筋の錆び汁と共に流れ出たエフレッセンス(コンクリート成分)が堆積している。
コンクリート打ち継ぎ部の隙間や貫通クラックから地下水が絶えず地下ピット内に流れ出ている。コンクリート内部の鉄筋も錆び、コンクリート成分とともに流れ出し鍾乳洞のように壁面をおおっている。建物の構造耐力・耐久性に悪影響を及ぼしている。
平成30年9月29日の早朝、そして夜にも大津京ステーションプレイス14階一室から火災報知器の警報ベルが鳴り、マンション住民が避難した。原因は屋上防水の欠陥による14階住戸の大量の雨漏りだ。出動した消防隊員は14階全室とマンション各所の危険個所を見て廻った。
14階住戸への大量の雨漏りによる雨水が電気配線に滲み、漏電を発生させた。台風による漏電によって火災の危険が増している。
出動した消防隊は14階全室を見て廻った。南辰(北海電鉄グループ)によるずさんな屋上防水施工により、屋上防水層の下に雨水が廻りこみ、14階室内に大量の雨漏りが発生し、14階住戸は使い物にならず、現在は誰も住んでいない。建物の瑕疵をめぐる裁判はもう9年も続いているが解決に至らず、瑕疵は放置されたままだ。本年(平成30年)6月の大阪北部地震、7月の豪雨、その後の台風により雨漏りの状況は深刻化し、漏電による火災の危険が増している。消防隊員は室内を見て、「これは酷すぎる」と言っていた。
落下した防風スクリーンの残骸。1枚の重さは約50kgある。これが通行人に直撃すれば人身事故は免れない。駅の方に飛んでいれば大惨事になっていた。
落下して粉々になった防風スクリーンガラス。
防風スクリーン支柱の固定箇所の強度不足が明らかになった。厚さ約20ミリしかないモルタルが剥がれ、立ち上がりの壁幅も80ミリしかなかった。通常であれば150ミリは必要である。あるべき鉄筋も入っていなかった。防風スクリーンが駅の方に落下していたら人の命にかかわる大惨事になっていた。北海電鉄さんは責任をとれるのですか?
防風スクリーンが落下して配線が切れた。北海電鉄さんは、もし防風スクリーンが北海電鉄の駅ホームに飛んできても大丈夫だと言えるのですか?それでも瑕疵がないと言えるのですか?
平成30年7月6日、14階のエレベーター前の共用廊下に激しい雨漏りが発生し、共用廊下を水浸しにした。エレベーターピット内に雨水が流れ込んだため、エレベーターを停止しなければならなかった。