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コンクリートの強度が契約より低く施工されている

日本建築検査研究所 岩山健一氏の鑑定意見書

・工事請負契約内容の不履行:コンクリート工事

① コンクリートの設計基準強度
竣工図のコンクリート設計基準強度は、契約図のコンクリート設計基準強度と比較して、基礎~10階スラブまで3N、10階柱~11階スラブまで6N、11階柱~13階スラブまで3N不足している。特に、これらの強度の変更について、発注者は何ら承認をしておらず、工事請負契約内容の不履行である。

② コンクリートの発注強度(呼び強度)
契約図面に指定された発注強度(呼び強度)は、設計基準強度に品質強度を+3N/m㎡とすることとしている。また、乙第19号証の工事請書に添付された見積書には、温度補正費が計上されているが、呼び強度にこれらの強度は加味されておらず、工事請負契約内容の不履行である。

③ コンクリートの品質
建築基準法第37条では、「建物基礎及び主要構造部で使用するコンクリートは、その品質がJIS規格(日本工業規格)に適合することを定めている。

本件建物に使用されたコンクリートは、一部に水セメント比発注によるコンクリートが使用されているが、これらは全てJIS規格に適合しておらず、建築基準法第37条違反に該当する。
特にJIS A 5308で定める普通コンクリートの呼び強度は45Nまで規格しており、JIS規格コンクリートを使用しない理由が無い。


また、水セメント比発注のコンクリートは、高強度コンクリートを使用した高層鉄筋コンクリート造建築物などで使用するものであるが、その品質管理は、低熱なセメントなどセメントの種類の選定、高周波加熱乾燥法などによる水セメント比の管理、コンクリート品質管理試験室の設置やコンクリート主任技術者の常駐などの留意等、厳格な管理が必要であるが、本件コンクリートの管理においては、その様な内容は見受けられない。
よって、法不適格なコンクリートについては、支払い対価に該当しないと考えられる。


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■岩山健一氏 プロフィール■
一級建築士
株式会社日本建築検査研究所 代表取締役
■主な出演番組■
テレビ東京「完成!ドリームハウス」
テレビ朝日「スーパーモーニング」
テレビ朝日「やじうまプラス」
TBS「みのもんたの朝ズバッ」
KTV「痛快エブリデイ」


阪神淡路大震災をきっかけに住宅の欠陥検査に着手。平成10年日本建築検査研究所を立ち上げ、市場における欠陥住宅の発生予防とその解決および紛争の支援を行っている。不動産業者や建設業者等との一切の利害関係をもたない消費者の味方として、これまでに2000件を超える手抜き・欠陥住宅の回復、救済を多数手掛ける。


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