大津京ステーションプレイス驚愕の写真集・Vol.3
防風スクリーン落下事故が起こったのは、強い風圧が発生する場所にわざと弱い材料を使い、わざと簡単に外れるように施工されていたからとしか思えない。このマンションだけに防風スクリーン落下事故が発生し、近隣マンションでは台風による同様の事故はなかった。南辰はこのマンションを殺人マンションにしたかったのか?
8年間の裁判を通して、南辰のずさんな工事の実態が次々に明るみに出た。南辰が自社ホームページに掲げる「技術と品質をかたちにして顧客に満足を提供する」という基本理念は見事なまでにその実態と矛盾している。
手抜き工事を繰り返し、台風で防風スクリーンが吹き飛ぶような施工をした南辰に「品質」を語る資格はない。
(大覚社員の想い)
この裁判を8年もやっていることについて、振り返ってみました。南辰は、学者を何人も雇って、「工学的に安全」という主張を続けています。大覚はこれまで、ディベロッパーとして、20棟以上のマンションの分譲に携わってきました。しかし、そんな私たちでも見たことがないような理論、計算式を使って、「工学的には安全」という主張を繰り返しているのが南辰です。
その代表例が、今回の写真でもご紹介している、基礎梁の打ち継ぎ部です。建築の教科書ともいうべき書籍であるJASS5にも打ち継ぎ部の処理については記載されています。レイタンス除去、ワイヤブラシを使った目粗し、先打ちコンクリートを湿潤にすることなどが記載されています。
建築の教科書ともいうべき書籍JASS5。南辰がJASS5にある打ち継ぎ部の処理に従って大津京ステーションプレイスの工事をしていれば、このマンションの基礎がバラバラになることはなかった。手抜き工事を繰り返してきた南辰は建築を馬鹿にしている。世の中を馬鹿にしている。この業界には安全基準を守り真面目に建築に取り組んでいる人たちもたくさんいるのですよ、南辰さん、住む人のことを考えて工事をしてください!
南辰さん、JASS5通り施工したというのは、全くのデタラメです。南辰のネズミ工事部長は証人尋問の際に、「コンクリートをワイヤブラシでこすったことなどない」とはっきり答えていました。大津京ステーションプレイスの建築を直接担当しなかった、ネズミ部長が証人として出てきたことも驚きですが、工事部長という責任ある立場の人間が堂々と答えていたのですから、南辰は会社一丸となって、このような施工を正当だと主張しているのです。
そして、南辰は、学者を何人も雇い、「基礎梁として存在していた時は、周りからの拘束により一体だったものが、コア抜きしたから拘束が解けて分離した」とか、「本件建物は、鉄筋コンクリート造なので、コンクリートが一体化していなくても、鉄筋が入っていれば大丈夫」と言い出しました。
打ち継ぎ部の問題だけをとっても、南辰の主張は、本当に不思議なことだらけです。そもそも、現地見分の前には、「コンクリートコアが打ち継ぎ部で割れる訳がない、大覚のコアの抜き方が悪いのだ」と大覚の主張自体を全面から否定していました。それが、現地見分で、コアが割れると、それまでの主張はまるでなかったかのように、「コンクリートは一体化していなくても問題ない」といい始めたのです。
このくらい主張が一転すると、さすがに裁判所も驚いたことでしょう。大覚と南辰が「コアは割れる」「割れない」と1年ほど議論していたことに業を煮やした裁判官が、「南辰さんの抜き方でコアを抜いてみたらどうですか、裁判所も立会います」といって実現したのが、平成27年9月の現地見分です。ここで簡単にコアが分離したのですから、南辰はさぞ大変だったでしょうね。どういう手段か知りませんが、大学名誉教授をはじめとした学者さんを何人も集めてきて、さも、自分たちの主張が正しいかのような、あらたな主張を始めました。
こんな南辰を相手にしながら、南辰のホームページを見てみました。そこには、「基本理念」として、「私たちは、すべての事業活動を通じて、「技術と品質をかたちにして顧客に満足を提供する」ことを使命とし、「品質確保」に努め、豊かな人間社会づくりに貢献する」とあります。一体、南辰の「技術と品質」というのは何なのでしょうか。いかに手抜きをして、金をうかして、一見、まともそうに「見える」だけの建物を作るのが南辰の「技術と品質」なのかと思わざるを得ません。そうでなければ、JASS5に記載されている、一般的な施工をし、安全・安心な建物を建てるのが建設会社として当然の使命であるはずです。
瑕疵だらけのマンションを建設した南辰の「基本理念」と「品質方針」。南辰は、あの金谷所長に品質に関してどんな教育を行ったというのだろうか? 手抜き工事を繰り返し、台風で防風スクリーンが吹き飛ぶような施工をした南辰に「品質」を語る資格などない。北海電鉄さんは毎日、多くの人々の命を預かっていますが、そちらのレールに問題はありませんか? 品質は本当に大丈夫なのですか? 「鉄筋が通っていれば安全性に問題はない」などとデタラメな理論を展開して、自らの手抜き工事を誤魔化すことはやめてください。
それにもかかわらず、南辰は、自分の主張を通すために、まるで黒いカラスを、白いカラスと言いくるめるような主張を平然としています。その一例として、南辰が証拠として、「見落としてはならない RC造の打ち継ぎチェックリスト」という書籍の引用を裁判所に提出したことが挙げられます。この本は、「コンクリートの打ち継ぎ部では鉄筋の位置ずれが生じやすく、レイタンスやコンクリートの沈降現象による弊害があるため、それらを排除する適切な施工が必要である」と記載されています。そして、まさにそのタイトル通り、打ち継ぎ部の施工についてのチェックリストも多数掲載されています。その施工の重要性を記載している「打継部で新旧のコンクリートを一体化させることはできず、打ち継ぎ部は、建築機能・構造耐力・耐久性上の弱点となりやすい」といった記載をとって、「打ち継ぎ部は一体化しない、だから、一体化させるための処理はしなくても問題ない、そもそも一体化しなくてもよいと書いてある」という主張をしていました。打ち継ぎ部の品質を向上させるための書籍までも、南辰は、「打ち継ぎ部はどうせ一体化しないのだから、一体化させるための処理は必要ない」となってしまうのです。
南辰は「RC造の打継ぎチェックリスト」がなぜ必要なのか全く理解していない。一体化させるための処理が必要なければ、そもそもこのような書籍が世の中に存在するはずがない。本のタイトルに「見落としてはならない」とちゃんと書いてあるのは、コンクリート工事においては、打ち継ぎ処理をきちんとすることが建物の安全性を確保するために重要であるからだ。このような書籍に記載されている言説までも利用して、自らの手抜き工事を正当化しようと企んでいるのだ。
さらに驚くべきことに、このような南辰の主張に、一般社団法人日本●●業経営協会の主任研究員である学者さんまで加担していることです。この団体は、「創立当初からの理念」として、「行動原理は、「社会的環境との調和、」その課題は、「共(協)同」と「競争」、めざす方向は「役に立つ研究所」、その役割は、「会員を技術面から支援する研究所」を掲げています」とあります。すごいですね、さすがに、●●業経営協会というだけあって、まさに、「競争」とか、「会員を技術面から支援する」とかって、どういう意味なんですか。私には、いかに手を抜いて競争に勝とうとする会員(建設業者)を、瑕疵があっても問題が無いというめちゃくちゃな議論をするために技術面から支援する、その目的は、企業「経営」だ!といっているように思えます。
わが社は、南辰さんのように上場している企業ではなく、滋賀県を地盤とした地域に密着した中小企業です。ですから、南辰さんのように、お金にモノを言わせて、黒いカラスを白いカラスというような主張は、当然しません。そんなめちゃくちゃな主張をする必要がそもそもないと考えています。なぜなら、大津京駅前には、現実に瑕疵だらけの大津京ステーションプレイスがあるからです。
以前は安全性が主張されていた原子力発電所も、実際にはメルトダウンして、放射能をまき散らし、今でも大変な問題です。そうです、理屈はどこまで行っても理屈です。普段、黒い法衣をまとっている裁判官にも、現地を見に来ていただきました。現物の瑕疵を直視することが何より大切だと思います。そこに事実があります。南辰に雇われた学者さんも、南辰からどんな見返りをもらっているのか知りませんが、現地を一度も見ることなく、瑕疵を検証することなんてできるはずがありません。
仮に、今回の訴訟で、これだけの瑕疵があっても建替えの必要はない、という判決が出たとしたらどうなるのでしょうか。耐震スリットは適当でよい、打ち継ぎ部の施工もデタラメでよい、屋根には余分なコンクリートがあっても問題ない、電気室に水の配管があっても良い、当事者の押印すらない書面が「最終合意図面」として当事者の合意の証拠だ、ということになります。これではこの裁判以後は、まともな建物は建たないでしょう。南辰勝訴の判決が出れば、建設業界の技術水準は地に落ち、「南辰規準」という基準がJASS5にとって代わるのかもしれません。まさに、建築業界のリーマンショックとでもいうべき、「南辰ショック」といわれる歴史的事実として、永く語り継がれることになりかねません。
●ずさんな工事が原因で防風スクリーン落下
平成25年9月16日未明、台風18号の強風により14階(地上約40m)共用部廊下の防風スクリーンが落下し、周辺の皆様に多大な被害をもたらしました。重さ約50キロの防風スクリーンは近隣マンション駐車場の車5台に直撃し、近隣店舗の壁を直撃しました。また、隣接マンションの受水槽(じゅすいそう)に直撃し、断水をもたらしました。マンションのすぐそばにJR大津京駅と京阪電鉄皇子山駅があります。一歩間違えば大惨事になっていました。
防風スクリーンとは各住戸の玄関の前に設置され、突風などで玄関ドアを開ける際に、風圧で押されたドアが開けにくくならないよう、風をさえぎる目的で設置するものです。台風などの強風に耐えられなければ、設置する意味がありません。
調査すると防風スクリーンは厚さわずか2ミリのアルミ製金具で取り付けられていました。数か月後、南辰は全ての防風スクリーンの金具をアルミからより強度のあるステンレス製金具に取り替えにきました。
南辰社長は防風スクリーンが落下したという事実があるにもかかわらず、「瑕疵はない。建物は安全だ」と言って近隣被害への補償には応じず、マンション管理組合が全ての補償に応じなければなりませんでした。到底上場会社とは思えない対応でした。
14階から落下した防風スクリーンの残骸(ざんがい)。落下事故の翌年5月に発売された週刊誌『フライデー』(FRIDAY)でも防風スクリーン落下事故は大きく取り上げられた。重さ約50キロもある防風スクリーンが、万が一、下を歩いている人に当っていたら、大惨事になっていたことは間違いない。以下に掲載する落下した防風スクリーンや、設置箇所の写真をご覧になれば、なぜこの建物だけが台風被害を受けたのかご理解いただけるだろう。
防風スクリーンの柱が固定されていた箇所の破損状況を調べてみると・・・
台風で吹き飛ばされた防風スクリーン支柱の固定箇所(破損部分)を調べると、厚さ約20ミリのモルタルが剥がれていた。防風スクリーン支柱の設置に問題があったことが分かる。そもそも突風などの強風に耐えられなければ防風スクリーンとして役に立たないものなのに、しっかりと固定されていなかったことは一目瞭然だ。スクリーンを取り付ける壁の幅も80mmしかない。通常であれば150mmは必要である。強度不足なのは明らかだ。また、コンクリートに鉄筋が入っているか確認すると、当然あるべきはずの鉄筋が入っていなかった。ここでも強度不足が確認された。これでは強い風圧がくる場所にわざと弱い材料を使い、簡単に外れるように仕組んだとしか思えない。このマンションだけが防風スクリーン落下事故が発生し、近隣マンションでは台風によって何かが落下したという話は聞いていない。南辰はこのマンションを殺人マンションにしたかったのか?
落下した防風スクリーン柱のアンカーはわずか40ミリしかなかった。これだけでも短すぎるのに、実際に構造体(コンクリート)にアンカーが埋め込まれていたのは20ミリだけだった。
強風により、防風スクリーンを共用部廊下の床(コンクリート躯体)に固定するアンカーが外れてしまった。そもそも固定アンカーの長さが約40ミリしかなく、短か過ぎる。通常はコンクリート躯体にアンカーを事前に打ち込んで施工する。しかし、コンクリート躯体部分に穴を後から開けて施工されていた。そもそもの施工方法に問題があったのだ。はじめから強度が不足していたのだ。こんな取り付け方では台風や地震でなくても、防風スクリーンがいずれ外れて落下するのは時間の問題だったと言わざるを得ない。
(下に解説図あり)
防風スクリーン足下固定部のアンカーはコンクリートの躯体にわずか20ミリしか埋め込まれていなかった。つまり、柱部材を躯体に取り付ける後打ちアンカーが強度不足なのだ。特に足元のアンカーは、躯体に埋め込んだ強固なアンカーに溶接止めする必要がある。
(左図・現):現状の施工方法は、アンカー長が40mmしかなく、更にモルタルの部分を計算に入れるとコンクリートには20mmしか入っていなかった。
(右図・正):左図と右図を比較すると現状は明らかに強度不足であり、いかに脆弱な施工方法であるかがわかる。
アンカー部分の固定金具が歪んでしまった。アルミ製の防風スクリーン脚柱が強風で引きちぎられたことが分かる。眼下には隣接マンションの駐車場があり、そのうちの5台の車に防風スクリーンが当たり破損させた。大津京ステーションプレイスのマンション管理組合は南辰に対し「被害を与えた近隣の住民さんに謝罪し、補償してください」と伝えると、南辰社長から「建物に瑕疵はなく、安全性は保障されている」と唖然とする内容の手紙が届き、謝罪の言葉はなかった。住民の気持ちを逆なでする対応にはあきれるばかりだ。
強風で簡単に外れるような取り付け方法では、防風スクリーンとして役に立たないどころか、わざわざ危険物を設置しているようなものだ。何が落ちてくるかわからない危険なマンションを建てておいて、南辰社長は「安全性は確保されている」と言っている。誰がそんな言葉を信じるというのか? あまりにも住民さんを馬鹿にしている。あまりにも世間を馬鹿にしていると言わざるを得ない。
台風により防風スクリーンを壁に設置する固定金物が曲がってしまった。近隣にも同じような高さのマンションが建っているが、そこでは防風スクリーンは一枚も落下していない。南辰の手抜き工事が原因であることは間違いない。ひどい話だ。
防風スクリーンが固定金物から外れ、吹き飛んでしまった。ここにも強度不足が見て取れる。防風スクリーンの取り付け方に問題があったことは明らかだ。
上部取り付け金具(Lアングル)が折れ曲がっている。また防風スクリーンが柱から外れている。台風で吹き飛んだ防風スクリーンは合計で4枚だが、この写真のように取り付け箇所が破損している箇所が多数存在しており、もっと大きな被害になっていたことも予想できる。ほんとうにヒドイ施工だ。
防風スクリーンの取付箇所が破損して、いつ落下してもおかしくない状況であったため、応急処置として角材を設置し、防風スクリーンが落下しないようにロープで繋ぎ止めた。落下した防風スクリーン残骸の後片付け、防風スクリーンが外れた箇所の応急処置は全て大覚社員が管理組合と協力して行った。南辰にはすぐに連絡し、早急に補修に対応してほしいと依頼したが、南辰が事故現場を見に来たのは何週間も過ぎてからだった。自社の手抜き工事から事故が発生し、マンション住民のみならず周辺住民にも多大な迷惑を掛けたという事実を南辰はどう思っているのだろうか? 北海電鉄は人の命を預かって毎日電車を運行しているのでしょ? なぜすぐに事故現場にきて事故原因の究明と落下事故再発の対策をしてくれないのですか。
上部取付金具(Lアングル)が台風により引きちぎれてしまった。まるで紙がちぎれたみたいだ。危険なため、落下しないようにロープで繋ぎ止めた。こんな危険な工事をして、南辰さん、恥ずかしくないのですか。
強風で引きちぎられた上部取り付け金具(Lアングル)。そもそもこの取り付け金具の材料、厚みなどに問題があり強度が不足していたのだ。安価な材料が使われていたのだ。南辰はあらゆるところで勝手なスペックダウンを積み重ね、その合計は3億円近くにも上る。安全を第一に考えて材料を選ばなければならないのに、南辰は工事費を浮かせることだけを考えていたのだ。この工事のどこに安全性が確保されているというのか?
台風で簡単に折れ曲がるような安価な材料が使われていた。こんな危険な工事をしていながら、「建物に瑕疵はない。安全性は確保されている」と南辰社長からマンション管理組合に手紙が届いた。あまりにも住民を馬鹿にした返答ではないか?
台風により上部取り付け金具(Lアングル)が引きちぎれてしまった。突風に耐えられなければ防風スクリーンの役目を果たさない。簡単に折れ曲がったり、ちぎれるような材料が使われていたのだ。ここでも安全性を無視したスペックダウンが行われていたのだ。何億もの工事費をごまかしていた南辰にとっては、防風スクリーン落下事故など何でもないことのようだ。これで「建物の安全性が確保されている」とどうして言えるのですか?
南辰のスペックダウンはこのマンションの至る所で、無差別に行われていた。人命にかかわるような大事故になっていたかもしれないのに、南辰社長は「瑕疵は存在せず、安全性も確保されている」とマンション住民の不安を逆なでする内容の手紙を管理組合に送った。
防風スクリーンが吹き飛んだ14階廊下。危険なため応急処置として、角材で落下防止の柵を設けた。こんな施工は日本中探してもないと思いますよ。危険過ぎます。今日に至っても、「瑕疵はない。不具合はない。まともなマンションです」といっているのですよ。皆さん、どう思いますか?
台風により14階廊下の防風スクリーンが吹き飛び、マンション北側の駐輪場の前のスペースに落下した。ガラスが粉々に砕け、周囲に飛び散った。
落下した防風スクリーン。落下の衝撃でフレームから外れたガラスが粉々になって飛び散っている。早朝であったため、駐輪場に利用者はなく、人身事故になることはなかった。不幸中の幸いと言うべきか。
14階共用廊下から落下した防風スクリーンはマンション北側駐輪場前のフェンスに直撃した。衝撃によりフェンス上部がへこみ、フェンスのワイヤーが折れ曲がってしまった。人に当っていたらとんでもない事故になっていただろう。
防風スクリーンはフェンスを直撃し、フェンス下の草むらに落下した。120cm×120cmとかなり大きなガラスである。もし人に当るようなことがあれば、人命に関わる大惨事となるところだった。
14階共用廊下の防風スクリーンが吹き飛んだ箇所はまるで歯が抜けたようだ。南辰妖怪が歯の抜けた口を開いて、ニタニタと笑っているようだ。
こんな危険なマンションを建てておきながら「瑕疵がない」って、どういう事ですか? 14階共用廊下の防風スクリーンが吹き飛んで、無くなっていますよ。14階の妖怪部屋に妖怪たちが出入りしやすいように防風スクリーンを飛ばしたんですか? 日本中の妖怪を招待して、南辰主催のハロウィーンパーティーがカビだらけの14階のお部屋で開かれるのですか?
防風スクリーンが吹き飛んだ当日、大覚は応急処置として、角材で落下防止の柵を設け、防風スクリーンには近づかないよう、マンション住民に注意を呼びかけた。
マンションのすぐそばにはJR大津京駅と京阪皇子山駅がある。多くの通勤・通学者が行き来するこれらの場所に防風スクリーンが落下していたら大参事は免れなかった。「建物に瑕疵はない」と手紙を書いた南辰の社長さん、一度この場に立ってみてください。瑕疵の現場を見に来てください。北海電鉄の会長さん、あなたの鉄道の駅のそばにこんなマンションがあったらどう思いますか? 今でも台風が来るたびに住民さんはこの日のことを思い出し、おびえているのですよ。
14階共用廊下から防風スクリーンが飛ばされ、近くの飲食店の壁に直撃した。もしこの箇所に窓が設置されていたら、防風スクリーンが窓を突き破り、人身事故になっていただろう。落下事故から何週間も経ってから、南辰は防風スクリーンの設置場所を点検に来たが、これらの周辺への被害状況は見ていない。今この写真を見ているあなたが、南辰関係者でしたらじっくりこれらの写真をご覧になって事故当日の状況を思い描いていただきたいと存じます。
防風スクリーンはダクトと壁に直撃した。南辰さん、こんな危険な施工はもう二度としないでくださいね。
近隣店舗の壁を直撃した防風スクリーンは、店舗の駐車場に落下し、フレームからガラスが外れ、飛び散った。南辰さん、こんな事故が起きるような手抜き工事はしないでください。
フレームから外れた防風スクリーンのガラスは店舗の駐車場で粉々に砕け散った。南辰さんは自社ホームページに「基本理念」として「技術と品質をかたちにして顧客に満足を提供する」という実に立派な言葉を掲げていますね。でも実際には、あなた方の工事の技術と品質は顧客に満足どころか「恐怖」を与え続けているのですよ。
落下した防風スクリーンは隣接する駐車場内の乗用車5台に直撃し、破損させた。これらの被害に対する補償は結局、大津京ステーションプレイスマンション管理組合が支払った。ヒドイ話だと思いませんか?
防風スクリーンは隣接マンションの受水槽(じゅすいそう)に直撃した。受水槽に設置されたタラップの鉄製パイプが折れ曲がった。衝撃の大きさを物語っている。万が一、人に当っていたら、たいへんな事故になっていた
受水槽に設置された鉄製パイプのタラップは防風スクリーンが直撃し、折れ曲がってしまった。
落下した防風スクリーンは受水槽ケーブルを切断し、断水をもたらし、隣接マンション住民に多大な迷惑をかけた。それにもかかわらず、南辰社長は管理組合に「建物に瑕疵はない。安全性は保たれている」という手紙を送り付けてきた。多くの人を困らせ、迷惑を掛けたのですからまずは謝罪をするのが先決なのではないでしょうか。
落下した防風スクリーンは受水槽ケーブルを切断した。鋭利な刃物で切断されたような切断面だった。衝撃の大きさを物語っている。
落下した防風スクリーンのガラスは受水槽を直撃し、粉々に砕け散った。
防風スクリーンが受水槽に直撃し、装置の一部がへこんでしまった。これがもし人に直撃していたらどうなっていただろう。考えただけでも恐ろしい大参事になっていたに違いない。
受水槽の下のメチャクチャに大破した防風スクリーンの残骸。台風により14階共用廊下から吹き飛ばされ、近隣マンションンの受水槽に直撃し、電気ケーブルを切断し、断水をもたらした。
管理組合は南辰に対して防風スクリーン落下の原因説明と補修を求めていた。「台風シーズンですから人命にかかわる事故が起こるかも知れないので、早急に対応してください」というマンション管理組合の要請をあざ笑うかのように、落下事故から2週間以上が過ぎた翌月10月4日になって、ようやく南辰は防風スクリーンが吹き飛んだ箇所を点検に来た。南辰の金谷現場所長(写真右)とネズミ工事部長(写真左)はまるで他人事のように事故の発生現場を眺めていた。ネズミ部長の左手には何やらハンコが押された書類がある。これが管理組合に南辰社長名で送ってきた「この建物に瑕疵はない」というデタラメな文書だ。
こんな会話が聞こえてきそうだ。
ネズミ部長:ここから落ちたんかい、エグイなー。金谷クン、キミちょっとやりすぎちゃうかぁ。
金谷所長:イヒヒ、ちょっとネ…。でも台風が来なけりゃバレへんかったと思いますわ。
その4日後の平成25年10月8日になってようやく南辰は補修工事にやってきた。なぜもっと速やかに対応してくれないのですか? 次の台風が来たら、今度は何が飛んでくるんだろうと、このマンションの住民さん、周辺の住民さんは皆不安な思いで事故現場を見守っていたのですよ。
南辰の作業者が、応急処置として設置した落下防止柵を取り払うと、事故当日の恐怖がよみがえってくる。眼下にはJRの線路も見える。ここから、約50キログラムの防風スクリーンガラスが吹き飛んだのだ。近隣マンションの住民さんはこのマンションをどんなふうに見ているのだろうか? 台風になるとモノが落下し、周辺に危害を与えるマンション。殺人マンション。瑕疵をすぐに直しにこない施工会社。南辰社長は「瑕疵は存在せず、安全性も確保されている」と管理組合に手紙を送ってきた。不安な思いで暮らしているマンション住民の方々をどれだけ馬鹿にしたら気が済むのですか?
10月8日の南辰による補修は、壁に設置した鉄パイプに網フェンスを括りつけたものだった。今度は落ちないようにしてくださいな、お願いですから。
台風で吹き飛び、周辺に住む人々を恐怖に陥れる新しい殺人防風スクリーンの設置は、14階に生息する妖怪たちの要望によりハロウィーンパーティーが終わってからになりそうだ。ネズミさんや焼き肉好きの現場所長も参加するのかな? まさか、そのパーティーでバーベキューするための網を設置しに来たんじゃないでしょうね。
台風で吹き飛ばされた防風スクリーンを固定するLアングル固定金物はもともとアルミ製でうすく、台風で引きちぎれてしまうほどの強度のないものだった。12月になると、南辰はこれらのアルミ製固定金物を、倍の厚みで強度のあるステンレス製のものに取り換えに来た。しかも、落下した箇所だけでなく、すべての箇所でこっそりと取り換えていた。「瑕疵がない。安全性は保たれている」と言うのなら、そんな姑息なことはしないはずなのだが。
南辰が新しい防風スクリーンを設置に来たのは12月24日だった。9月16日の落下事故から3か月以上が過ぎていた。その間、マンション住民、周辺住民は風が吹く度に不安な思いをしていたに違いないのに、南辰は「建物に瑕疵はない」という文書を管理組合に送り付けるだけで、いつまで経っても誠意ある対応をしようとしなかった。これが「南辰品質」ですか?
南辰による補修を大覚が調査すると、Lアングル固定金物と防風スクリーンのアルミ支柱を固定している貫通ボルトが水平に取り付けられていない箇所が、48箇所中3箇所見つかった。コンクリート手摺り壁と防風スクリーンのアルミ支柱を固定するための支柱側の貫通ボルトが水平に取り付けられていないため、ナットがしっかりと固定できていない。強風による振動でボルトが外れるかもしれない。南辰の工事はどこまでいっても危険なものだった。
もっと危険な補修箇所もある。Lアングル固定金物が防風スクリーンのアルミ支柱面より飛び出して取り付けられている箇所が、48箇所中43箇所見つかった。コンクリート手摺り壁と防風スクリーンのアルミ支柱を固定するLアングル固定金物が、防風スクリーンのアルミ支柱面より5ミリ~20ミリ飛び出して取り付けられている。飛び出しているLアングル固定金物の切断口は、刃物のような鋭利な状態のままだった。触れるとケガをする非常に危険な工事だ。
鋭利な刃物のような取り付け金具が無造作に取り付けられていた。なにかの拍子に手が触れたら、たちまち怪我をしてしまう。防風スクリーンは危険な状態のままだ。危険なマンションを建てた南辰は、その補修工事ですら手抜きをして、住民を恐怖に陥れている。
南辰社長から管理組合に届いた返事。「当該マンションには瑕疵は存在せず、安全性も確保されている」とあり、落下事故によって不安な思いを強いられているマンション住民の感情を逆なでするような内容だった。隣接マンションや近隣店舗への損害(乗用車5台損傷、受水槽ケーブル切断による断水、店舗の外壁損傷)について、マンション管理組合は南辰に補償を求めていた。しかし、南辰は「当社に責任があるとは考えておりません」と管理組合の申し入れを断り、迷惑をかけた近隣住民への補償どころか謝罪もなかった。結局、マンション管理組合が全ての補償に対応しなければならなかった。
●基礎梁コンクリート鉛直打継ぎ部が柱と一体化していない
大覚が調査をすると大津京ステーションプレイスの基礎梁は構造耐力を損なう柱際で打ち継がれていました。打ち継ぎ箇所(柱面)は平滑に仕上がっており、目荒らしなどされた形跡がなく、コンクリートを一体化させるための処置が全く行われていませんでした。すなわち、柱と基礎梁のコンクリートが一体化していないことが明らかになりました。
そもそもこのマンションは、ラーメン構造(剛接合構造)であり、柱と基礎梁のコンクリートが一体化していなければ、ラーメン構造自体が成立しません。したがって、元設計時の構造計算仮定が成立せず、建物の安全性が確保されていません。仮に構造計算を行った場合でも、保有水平耐力は0.49などとなり大幅に不足しています。また、一次設計における、柱、梁の部材強度不足も梁31本、柱32本、計63本が確認されています。
さらに、南辰は基礎梁の鉛直打継部に止水板を設置しておらず、コンクリートが一体化していない打ち継ぎ部の隙間から地下水が地下ピット内部に侵入し続け、構造耐力・耐久性の低下を招いています。
ずさんなコンクリート工事により、鉛直打ち継ぎ部は初めから完全に分離していた。大きな隙間が見える。南辰はコンクリートを一体化させるためにしなければならない打ち継ぎ処理をしていなかった。南辰は、打ち継ぎ処理をしていなかったことを誤魔化すために、最初は「きちんと処理をしていればコアは分離しない」と実験動画まで作って裁判所に提出していた。ところが、現地見分のコア抜き調査でコアが分離すると、主張を一転させ、今度は「打ち継ぎ箇所が一体化することはないのだから、打ち継ぎ処理はそもそも必要ない。基礎梁コンクリートは分離していてもかまわない」と言い出した。南辰は今でも、その場しのぎの場当たり的な主張を裁判で繰り返している。
コンクリートが打ち継ぎ部で分離している。構造体のコンクリートを一体化させる処理を怠り、基礎梁に大きな隙間を作っても「瑕疵はない」と言っている。南辰は、建設会社であるにもかかわらず基礎梁、柱の重要さがわかっていない。「こんな工事はしてはいけない」というコンクリート専門家の著書までも、間違った解釈をして著者の意図を無視し、南辰に都合のよい間違った理論にすりかえてしまう。日本の建築を安全なものにするために、真面目に取り組んでいる建築専門家らのこれまでの努力をあざ笑っているかのようだ。
基礎梁FG4とC4柱との鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアを抜き取り調査した。打ち継ぎ部は肌別れによるすき間があり、基礎梁と柱コンクリートが一体化されていないことが明らかになった。それにしてもヒドイ工事だ。
鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアを抜き取った穴には、はっきりと鉛直打ち継ぎ部の隙間が開いていた。基礎梁と柱のコンクリートは一体化されていなかった。基礎のコンクリートがバラバラな上に、各階打ち継ぎ部も一体化していないことが調査で明らかになった。こんな危険極まりないマンションを建てておいて「瑕疵はない。安全性は確保されている」なんてよく言えますね。地震がきたら倒壊するかもしれないのですよ。
基礎梁のコンクリート打ち継ぎ部の状態を調査するために、大覚は立体駐車場前の土を掘り起こすことにした。一審での理不尽な判決を覆すために本格的な調査をする必要があった。欠陥住宅に苦しむ多くの人々のためにも、やりたい放題のずさんな工事をしていた南辰を許すわけにはいかないからだ。
南辰によるずさんな打ち継ぎ工事の実態を調査するために、ショベルを使い、かなり深くまで掘り起こした。
土中に何本も突き刺さっているH鋼は仮設の山留めだ。山留めにはもっと太くて強度のあるH鋼を使うものだ。こんな細いH鋼では山留めとして自立できない。南辰は自社の打ち継ぎ計画について、「本件マンションでは、山留めのため、切梁を2段に設け、基礎梁を3ないし4層に分けて、1層打設する毎に切梁を外していかないと基礎梁を打設することはできなかった」と主張しているが、山留めの工法を変更したり、H鋼の本数を増やして山留めをより強固なものにするなどの工夫をすれば、2層、3層に水平打ち継ぎをすることはなかったのだ。
大覚は建築専門家を招き地中梁の本格的な調査を開始した。打ち継ぎ部のコアを抜き、分離したコンクリートを見た専門家は、「悪い施工の見本として教材に使いたい」と驚きの声を上げていた。
地中梁の調査のためにかなり深くまで掘り起こさなければならなかった。
基礎梁の鉛直打ち継ぎ部のコンクリートが一体化しているか調査するために打ち継ぎ部のコンクリートを抜き取った。
基礎梁のコンクリートが一体化しているか調査するために鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアを数箇所抜き取った。
柱際の鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアを抜き、打ち継ぎ箇所の状態を調査した。構造体である基礎部分はコンクリートが一体化するように、目荒らしなどの打ち継ぎ処理をするのが建築常識だ。南辰がJASS5に準拠した打ち継ぎ処理をしていなかったのは、抜き取ったコンクリートコアを見れば一目瞭然だ。こんなにヒドイ工事をしておいて、いまだに「瑕疵はない」と言い続けている。裁判ではウソを上塗りするようにデタラメな証拠を揃え、建築専門家や学者を何人も雇って、手抜き工事を誤魔化すための書類を書かせている。まずは自らの手抜き工事を反省し、謝罪するのが先決なのではないですか、南辰さん。
抜き取ったコンクリートコアは打ち継ぎ部で分離しており、真っ二つになった。一体化していなければならない基礎がバラバラだ。コンクリート内部の鉄筋の錆びも付着している。打ち継ぎ部の隙間から地下水が侵入し、内部の鉄筋が錆びている。地下ピットにはプールのように地下水が溜まっている。そのため、立体駐車場は早い段階で閉鎖せざるを得なかった。多くの住人さんが不便を強いられている。南辰の金谷所長は、自社の手抜き工事がもたらしたプール状態の地下ピットの原因をメンテナンスが悪いからだと裁判で言っていた。常に水を汲み出さなければならないような地下ピットを大覚が発注したとでも言いたいのだろうか?
コンクリートコアを抜き取った穴のなかを覗くと、鉛直打ち継ぎ部のコンクリートが一体化しておらず、目視でわかる隙間があった。この隙間から地中の地下水が侵入し、コンクリート内部の鉄筋に腐食(錆び)をもたらしていた。基礎梁の漏水している箇所の鉄筋はほぼ錆びているだろう。コンクリート内部の鉄筋を錆びさせている漏水は地下ピット内に溜まり続け、累計10メートル以上になっている。コンクリート内部からは錆び混じりのエフロレッセンスも流れ出て、錆び色に染まったヘドロが堆積し、地下ピット内は異様な状態だ。JIS規格外の粗悪な違法生コンが使われているこの建物には打ち継ぎ不良以外にもコンクリート施工の不良箇所は三千箇所以上ある。
抜き取ったコアは打ち継ぎ面で一体化しておらず、はじめから分離していた。そのため打ち継ぎ面の隙間に地下水が侵入しており、打ち継ぎ面は泥まじりになっていた。南辰は目荒らしなどの打ち継ぎ面の処理を全くしていなかった。この建物は、基礎の水平打ち継ぎ、鉛直打ち継ぎ、さらに各階の水平打ち継ぎも南辰の手抜き工事によって一体化していない。構造計算の大前提である構造体の一体化から程遠い状態だ。こんな危険な建物を建てておきながら未だに南辰は「建物に瑕疵はない」と言い続けている。いつまでそんなウソが通用するのだろうか。
通常、鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアはどれも一体化しておらず、真っ二つに分離した。建物の基礎であっても、手抜き工事を繰り返していた南辰は、適切な打ち継ぎ処理を怠っていたことが控訴審で明らかになってくると、建物の基礎がバラバラであっても、構造的には問題がない、建物は安全であるという意見書を、新たな建築専門家や学者を雇っていくつも書かせ、裁判所に提出した。その内容は建築常識からかけ離れた机上の空論だった。裁判を通して、南辰の工事はJASS5に書いてある施工方法に準拠していないということも明らかになった。あげくの果てに自分たちの施工が正しく、JASS5が間違っているとさえ言い出した。自分たちが正しく、専門委員が間違っているとも言っていた。そのうち、自分たちが正しく、建築基準法が間違っていると言い出すのかもしれない。
平成27年9月15日の現地見分でのコア抜き調査でも柱際の鉛直打ち継ぎ部のコア抜き調査が行われた。南辰側は4箇所の水平打ち継ぎ部のコアを抜き取ったが、鉛直打ち継ぎ部についてはコア抜きをしなかった。おそらく鉛直打ち継ぎ部は100パーセントくっついていないことを南辰は知っていたからだろう。なぜかと言えば、打ち継ぎ処理をしていなかったことを一番よく知っているのは南辰だからだ。この現地見分に立ち会っていた南辰ネズミ部長は、どうやって自社の手抜き工事を裁判で誤魔化すか、どこの名誉教授を雇ってウソを上塗りするためのもっともらしい学説を作ってもらうか考えていたのだろうか。
現地見分で大勢の関係者が見守る中、柱際の鉛直打ち継ぎ部のコア抜きが始まった。
抜きとった柱際の鉛直打ち継ぎ部のコアは、果たして一体化しているだろうか。
現地見分でのコア抜き調査は、大覚のこれまでの調査と同じ結果だった。鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコアは一体化しておらず、真っ二つに分離した。南辰が適切な打ち継ぎ処理を怠っていたからだ。南辰はいつまでこんなずさんな工事を続けるのだろう? 南辰品質の瑕疵だらけの建物が日本中に溢れるまで続けるのだろうか?
地中梁からコアが抜き取られ、裁判官の目の前にさらされた。裁判官は、分離した鉛直打ち継ぎ部のコンクリートコア打ち継ぎ面を触って確かめた。打ち継ぎ面はすべすべだった。南辰が打ち継ぎ処理をしていなかったからだ。こんな工事をしていても、未だに「瑕疵はない」と南辰は言い続けている。これだけ明らかな瑕疵工事の証拠を示されても、「建物の安全性に問題はない」と8年間も言い続けている。次々と明らかになった南辰のずさんな工事の実態は、南辰が自社ホームページに掲げる「技術と品質をかたちにして顧客に満足を提供する」という基本理念から大きく隔たっている。
(大覚社員の回想)
証人尋問では、南辰の策略にはまってネズミ部長にすっかり掻き回されてしまいました。こちらが準備していた主張が半分もできていませんでした。第一審の終盤で、一遍弁護士に「勝ちます!必ず勝ちます!今頃裁判官は大覚が勝訴する判決文を書いています」と言いくるめられてしまったことを思い出して、今でも腹立たしく思っているのに、控訴審では大事な証人尋問で鬼川弁護士はネズミのシッポをやっとのことで掴まえたと思ったら、すでに時間切れで南辰をトコトン追い詰めることができませんでした。
一審の二の舞にならないようにしなければなりません。裁判を熟知した南辰はこれまでいろいろなことを仕掛けてきたのですから。必ず次の手を打ってくるに決まっています。
これまでの8年間、南辰は大覚を葬るための様々な段取りを考え、あらゆるところに罠を仕掛けてきました。
第一審が始まる直前の平成21年12月、南辰は請負残代金の請求書を何度も大覚に突き付けてきました。それまでに、覚くんは金谷現場所長に対して1350箇所の手直し工事に着手するよう何度もお願いしていましたが、その度に「必ず直しますから」という金谷の言葉にごまかされていました。まさか、上場している建設会社である南辰が手直し工事も終わってないのに、「建物が完成し、引き渡しも完了しているのでお金を払ってください」などと言い出すなんて思ってもみませんでした。
「1350箇所の手直し工事が終わっていないのですから、建物が完成しているとは到底言えません。共用部の検査もまださせてもらっていないのですよ。請求書の受領はお断りします」と南辰に返答し、問題解決に向けて話し合いの場を持ちましょうと何度も呼びかけました。
12月の中旬になると、今度は、売れ残っている住戸49室を南辰が買い取るという申し出をしてきました。
「何を勘違いしているのか知りませんが、先に手直しをしてください。売る気は毛頭(もうとう)ありません。手直し後に残代金を支払います。お金はありますから」と残高証明書まで南辰に送り、買い取りの申し出を断りました。
手抜き工事を繰り返し、3億円近いスペックダウンを施主である大覚に報告せず勝手に行って工事費を誤魔化していた南辰は、目に見える箇所の手直しをしたところで、このマンションのとんでもない瑕疵が修復できるようなものでないことを一番よく知っていたのです。だからこそ、話し合いの呼びかけには一切応じることなく、目に見えない罠を仕掛けて、ひたすら大覚を仕留める段取りをしていたのです。
加害者が被害者になりすまし、南辰は全ての罪を大覚に被せる計画的企みを着々と進めていきました。
「必ず直しますから」と覚くんに言っていた金谷現場所長は手直し工事に着手することなく、12月の末には工事をほったらかして現場を引き揚げました。
そして年が明けた平成22年1月7日、南辰は大覚に対して請負残代金の支払いを求める訴訟を提起しました。訴訟と同時に南辰は引き渡しを受けていない大津京ステーションプレイスの49戸の住戸を仮差押えしました、さらに、マンションとは全く関係のない大覚の所有する不動産物件を仮差押えしました。その中には、大津市皇子が丘公園の一画の大覚がシニアマンションを建てる計画のあった土地、京都市山科区の薬科大学近くのワンルームマンション建設用地があり、大覚が長年に渡り進めてきた事業計画がことごとく頓挫することになりました。さらに、事前にかなり調査しなければ分からない大津京駅近くの分譲マンションの一室までも仮差し押さえしてきました。
12月初めにいきなり請求書を持参してから約一か月という短期間で訴訟を起こしてきたのです。段取りがよすぎます。もともと訴訟提起を前提にしてかなり前から大覚について調査していたに違いありません。どうやって調べたのかと、当時のことを思い起こすと、南辰に通じていた者が社内にいたようにも思えます。当時廊下の隅で携帯電話を片手に声を潜めて話をしている社員がいました。
「携帯で土地とか資金繰りのことで話をしていたようだけど、相手は誰だったのですか?」
その社員を問いただすと、「そんな話はしていません」とかわされ、それ以上は聞けませんでした。その後すぐにその社員は会社を辞めたので、それっきりになってしまいました。真相は分かりませんが、スパイを送り込んだり、大覚社員を内通者として取り込むなどは、南辰がいかにもやりそうなことです。
南辰は自社ホームページのIR情報を使って「建築基準法に則って工事を行っており、建物に瑕疵はない。大覚による手直し工事の要求は過剰であり、それに対して南辰は誠意をもって対応したのに、大覚がお金を払ってくれない」と、大覚をおとしめるウソの情報を流しました。世間の方々は関西を代表する北海電鉄グループの一員である南辰の言い分が正しいと思ってしまいます。このIR情報によってばらまかれた風評のために、いわれのない信用不安から取引先が減っていきました。大覚の分譲済マンションや戸建てのお客様から多くの問い合わせが相次ぎ、「自分の住んでいるマンション、住居は大丈夫なのか」など連日、社員は店頭や電話での問い合わせに追われました。大覚のグループ企業は今でも企業活動が著しく阻害されています。
第一審の判決により、大覚に残代金十五億円に加え、莫大な遅延損害金の支払いを命じられました。一遍弁護士が相殺主張をしていたため、相殺の意思表示の翌日から一日当たり残代金約十五億円の一万分の四の割合(約六十万円)の遅延損害金の支払いが命じられたのです。現在でも、一日六十万円、ひと月千八百万円、一年で二億二千万円もの遅延損害金が覚くんの肩に重くのしかかっています。総額は現時点(平成29年11月)で約14億8千万円にも上ります。
「莫大な遅延損害金の金利を止めるためにも残代金を払ってください。一日六十万円もの金利を背負って裁判を闘うのは、私たちのストレスになりますから」と控訴審から大覚の代理人になった鬼川弁護士から言われました。会社の幹部、家族にも説得され、ようやく覚くんは残代金を支払うことを承諾しました。すぐに両者の弁護士同士で話し合いが行われました。その結果、残代金をその年の6月に6億円、翌年4月に9億円支払うことで合意し、遅延損害金の利率も下げられることになりました。
ところが、南辰は大覚が最初の六億円を振り込む直前になって、翌年4月の支払期日を3月に前倒しするように要求してきました。承諾しなければ、この話は白紙に戻すとも言われました。支払を一カ月早めるということは、大覚の資金繰りに大きな影響を与えるものでした。覚くんはその要求を断ろうとしました。しかし、鬼川弁護士、会社幹部らのたび重なる説得に折れて、しぶしぶ前倒しの要求を吞むことにしました。しかし、その数日後、再び南辰から、支払期限前倒しの要求が届けられた。今度は6月に6億円、9月、12月、3月にそれぞれ3億円ずつ支払えと言ってきました。ここまでくると、もはや、企業同士の合意とは言えません。その時点で、覚くんは約束の反故を繰り返す南辰とこれ以上話し合うことはできないと悟り、残代金を支払うことなく遅延損害金を背負ったまま控訴審で闘う決心をしました。
南辰が残代金を受け取ったら都合が悪い事情があったとしか思えません。南辰が最初に大覚に対して訴訟提起してきたときと同じように、大覚が払いたくても払えないように仕向けているのは南辰の方です。大覚の資産を奪うことが目的だったのです。次々に南辰が仮差押えしていた大覚の物件が競売に掛けられていきました。
南辰は大津京ステーションプレイスの未入居住戸49室の競売が始まると、裏で手を回し、京都の不動産会社T社を使って36室を落札させました。目的は新たに区分所有者になったT社を使って大覚の建物調査を妨害し、控訴審を有利に進めることでした。T社が競売で落札した住戸に風紀を乱すような方々が入居していることに危機感を抱いたマンション管理組合は掲示板に瑕疵の写真を貼り、マンションの現状を住民の皆さん伝えようとしました。すると、T社は、瑕疵の写真を掲示板に貼られたら借り手がつかなくなる、営業妨害だとして、一介のサラリーマンである管理組合理事長に月額四百二十万円もの弁償を求めて裁判を起こしてきました。しかし、大津地裁は管理組合による瑕疵の現状を伝える行為が管理組合の活動を逸脱したものではないという判断を示し、今でも管理組合は組合員への広報活動の一環として瑕疵を伝える貼り紙を掲示しています。
次回も、南辰の計画的企みの一貫である手抜き工事、危険な工事の実態を『驚愕の写真集(第4集)』でお届けします。そして、この8年間、覚くんとともに南辰の流した風評の被害に耐え、歯を食いしばって会社を守り、闘ってきた大覚社員の想いをお伝えします。
乞うご期待!