第十四章 南辰が大覚を追い込み罠に嵌めた計画的企み ・ 前編
~法律を熟知した大手ゼネコンが、裁判所の中で弁護士・専門委員と結託して仕組んだ犯罪~
(連載第34回)
目 次
第十四章 南辰が大覚を追い込み罠に嵌めた計画的企み ・ 前編
~法律を熟知した大手ゼネコンが、裁判所の中で弁護士・専門委員と結託して仕組んだ犯罪~
(覚くんの回想)
<8年間を振り返る>
(覚くんの想い)
<残された疑問>
■疑問1■
■疑問2■
■疑問3■
■疑問4■
■疑問5■
南辰が大覚を追い込み罠に嵌めた計画的企み
~法律を熟知した大手ゼネコンが、裁判所の中で弁護士・専門委員と結託して仕組んだ犯罪~
(覚くんの回想)
中小企業の皆さん、裁判には気をつけてください。弁護士と専門委員が手を組み、裁判・法律を利用して、あなたの会社を狙っているかもしれませんよ。甘い言葉に乗ったら、たいへんなことになりますよ。
裁判は、当事者である自分自身がしっかりと裁判知識を身につけ、また知恵を出して、闘わなくてはなりません。
弁護士や専門委員、協力を申し出た方々に頼んだとしても、結局皆他人事ですよ。弁護士は依頼者のために一生懸命やってなどくれませんよ。負けたら、依頼人の責任であるかのように言い、勝ったら自分の手柄のように言ってきます。弁護士は無責任な方が多いですよ。肩書に惑わされたらダメですよ。専門委員もその肩書に惑わされたらダメですよ。
弁護士は法律の知識はあると思いますが、知恵はそんなにありませんよ。むしろ中小企業の社長さんの方があります。なぜなら弁護士は、法律の勉強はしていますが、あまり苦労はしていませんからね。その点、中小企業の社長は汗水たらして、裸一貫で会社を立ち上げ、会社経営という大変な苦労をしています。そんな経験は中小企業の経営者にしかわかりません。弁護士にはわかりませんよ。
<8年間を振り返る>
8年過ぎた今でも、「建物に瑕疵はない」、「コンクリートは分離していてもいい」と主張する南辰は、契約図にないJIS規格外の生コン(国土交通大臣の認定を受けていない水セメント比発注)を使っていた。どこから持ってきたかわからない粗悪なセメントが使われていたこともわかった。その生コン会社は工事が終わるとすぐに倒産した。南辰と結託していた設計監理会社社長は裁判途中で謎の死を遂げた。私自身も現在は気をつけて行動しております。
ピット底から排水口まで6mの高さがあった。その間にあるべき排水管が施工されていなかった。排水口から6メートル下のピット底まで、滝のように雨水が落下し、轟音を響かせていた。各住戸の簡単な手直し工事さえ着手しようとしない南辰は、マンション住人のことなどまるで無頓着だ。真夜中に振動を伴って響く騒音が住民さんの睡眠を妨げ、どれほど住民さんに迷惑をかけているか気にもしないのだ。
本来であれば、昇降タラップは点検口の真下に移動させ、もっと間隔を詰めなければならない(黄色線)。さらに、排水口も横に移動させ、排水口からピット底まで排水管を設置すべきだ。
ピット底から点検口を見上げると、現在のタラップの位置は点検口から大きくずれている。入る時と同様、どうやって一番上のタラップから点検口の外に出たらよいのだろうか。怖くなってしまう
点検口からずれた箇所に設置されたタラップは途中で途切れ、ボロボロの仮設はしごが針金でタラップに括りつけられていた。このことだけでも、建物が完成していないことは明らかであり、完成していない建物の引き渡しなどありえない。
ボロボロの仮設はしごの下の方は廃材を付け足し、片側だけタラップに括りつけられていた。呆れるばかりのずさんな施工だが、雨水貯留槽の手抜き工事はこれに止まらなかった
平成21年の12月、契約通りに建物が完成しておらず、各住居の手直し工事さえ行われていない状態だった。大覚は自信を持ってこのマンションを分譲することができない状態に追い込まれた。関西を代表する北海電鉄グループの上場企業なのだから、「必ず直します」と言っていた金谷所長らがまさか手直し工事の約束を反故にして、工事途中で現場を引き揚げるなどとは思ってもみなかった。完成・引き渡しは完了していない。竣工図さえもらっていない。このときすでに南辰は計画的企み、陰謀・謀略を巡らせていた。獲物である大覚を追い込み、仕留める段取りをしていたのだ。
雨水貯留槽のピット底に降りると、ポンプが正常に設置されておらず傾いていた。起動すると傾いていたポンプから勢いよく水が噴き出した。ポンプの役目を果たしておらず、明らかに瑕疵工事だ。
雨水貯留槽ピット底には仮設工事の際の構台親杭(H鋼)の跡が、天端処理未施工のまま放置されていた。上からの指示だろうか、南辰は見えないところは徹底的に手抜き工事をし、重い蓋をして隠ぺいしていた。
調査の為にコンクリート内部を調べると、正常な位置から大きくずれた位置に耐震スリットがあった。ずさんな工事により、耐震スリットがあっちに向いたり、こっちに向いたりと歪(ゆが)んだ状態でコンクリート内部に埋まっていることが判明した。
鉄筋コンクリート造の建物においては、地震などの力により構造体の柱・梁が損傷しないように、壁との間にスリット(緩衝材)を設置する。これがないと、地震が起きた時に、建物が損傷する恐れがある。現在発覚しているだけでも、大津京ステーションプレイスには75箇所もの施工不良があり、建物が倒壊するかもしれない危険な状態だ。
南辰はありとあらゆる建設材料、設備品目、電気・ガス・水道工事の品質をスペックダウンさせ、工事費をごまかしていた。その結果、大津京ステーションプレイスは契約図面とは全く異なる、安全性が確保されない建物になってしまった。許認可関係の検査をごまかすために変更届けさえ出されていなかった。建築行政には全て虚偽の申請をして許可を得ていた。なぜかは分からないが、役所は南辰さんのいうことをよく聞いていた。中小企業相手には通常出さないような許可を南辰さんにはすぐ出しているみたいだった。南辰が企業ぐるみでごまかした工事費(スペックダウンしたお金)は3億円以上にも上る。
立体駐車場地下ピットには、濁った大変不衛生な水が大量に溜まっている。水平、垂直方向で一体化していない打ち継ぎ部の隙間、多くの貫通クラックから地下水が侵入し続け、これまで累計で10メートル以上の地下水が溜まっている。
絶えず漏水している立体駐車場地下ピットは駐車場として機能せず、閉鎖を余儀なくされた。その後も、定期的に地下水を汲み上げている。
漏水して溜まった水を地下ピットから汲み出すと、錆び混じりのエフロレッセンスが堆積しており、悪臭を放っていた。こんな使い物にならない立体駐車場をつくってくれと依頼した覚えはない。
地下ピットに溜まった水をポンプで汲み出した後、ピット底に降りた調査員が隙間に手を入れると、指が奥まで簡単に入った。しかも、その隙間には地下水が湧き出て、錆びまで一緒に出ている。
このマンション建設では図面が4つも存在する。通常は確認申請図面で建築するものであるが、施主には報告せず契約図面より約3億円ものスペックダウン(品質落とし)をしていた。施主をだまして詐欺の契約をさせ、役所には施主と契約した図面とは全く異なる図面で申請をしていた。詐欺を働くための計画的企みを建築行政さえも巻き込んで行っていたのだ。
平成22年1月7日、南辰は請負残代金の支払いを求めて施主である大覚を訴えてきた。前年暮から話し合いの場を持つことを何度も南辰に呼びかけていた、その矢先の突然の訴訟提起だった。大覚にとってマンション事業ができない状態で工事をほったらかして現場を引き揚げた。契約違反だ。合点のいかない、寝耳に水の出来事だった。
打ち継ぎ部の隙間や貫通クラックから流れ出たエフロレッセンスはヘドロ状に地下ピット床面に堆積している。もはや立体駐車場地下ピットは車を仕舞っておく用途は果たせず、ヘドロが溜まりつづける異様な空間になってしまった。
今でも排水溝に溜まった地下水は排水されることなく澱(よど)んだままだ。錆び混じりのエフロレッセンス(コンクリート成分)が汚いままに堆積している。使われることのない立体駐車場地下ピットは非常に不衛生だ。
排水通気管立ち上がりには防水層端部を保護するカバーが無く見積要綱書とは全く別物の鋼管が用いられていた。むき出しの鋼管部が激しく錆び劣化している。驚くべきことに、内側の塩ビ管と外側の鋼管の間のすき間には廃材が埋め込まれていた。あまりにもずさんな施工にあきれるばかりだ。
平成25年9月16日の台風の影響で14階共用廊下から4枚の防風スクリーンガラスが落下した。周辺に大きな被害と恐怖をもたらした。
大覚を詐欺にかけ、問題だらけの工事をしていながら、役所がかんたんに検査済証を交付するなんておかしな話ですね。工事途中であり、手直し工事はされていない。誰が見ても、これで完成・引き渡しが完了したとは言えない。南辰は完成したと言っているが、竣工図ももらっていなかった。突然南辰が現場を引き揚げ、残された建物には信じられないほど多くの瑕疵があった。
地下ピットには池のように水が溜まり(累計では10m以上溜まっている)、屋根には構造計算になかった254トンもの余分なコンクリートが載っている。余分なコンクリート増し打ちのせいで屋上の立ち上がり(パラペット)はわずか4センチの高さしかなく、パターゴルフ場のようにでこぼこしている。こんな起伏だらけの屋上はどこにもない。無計画な工事に起因する防水施工の不備により、14階は大量の雨漏りが発生し、使い物にならなくなった。
事故後、南辰の水島工事部長(写真左)と金谷所長(写真右)は現場を見に来た。南辰社長は「瑕疵は存在せず、安全性も確保されている」とマンション住民の不安を逆なでするような手紙を管理組合に送っている。南辰の水島、金谷は本当に安全性が確保されていると思っているのだろうか? 落下事故の現場を目の当たりにしたら、「瑕疵は存在せず」などとは到底言えるものではない。金谷は上層部の指示に従って手抜き工事を繰り返していたのだろうか。
台風シーズンの真っただ中、マンション住民、周辺住民は、同じような事故が再発するかもしれないという不安を拭い去ることができなかった。あと1週間で落下事故から1か月になろうとしていた平成25年10月8日になってようやく南辰は補修工事にやってきた。住民さんを馬鹿にするにもほどがある。
屋上の防水層をめくってみると、防水層の下に雨水がまわり込んでいた。防水施工に瑕疵が無ければ、防水層の下に水が侵入するようなことはない。
防水層をめくると、コンクリート床面に接する防水シートが途中までしか届いてなかった。こんないい加減な工事をしてもアスファルト層で隠ぺいしてしまえば、ばれないと思っていたのだろうか?
電気室にあるはずのない水の配管が設置されていた。6600ボルトの高圧トランスの、そのすぐ横を排水管が通っている。地震の際に漏水でもあれば、非常に危険だ。屋根裏にはわけのわからない電気配線が途中で切れており、いつ漏電・ショートが発生して火災が起きるかわからない。立体駐車場地下ピットには池のように水が溜まっており、隙間からこどもが落ちたら大変なことになる。粗悪な違法コンクリートが使われ、クラック、ジャンカなどのコンクリート不良が3000箇所以上みつかった。無数の漏水箇所から地下水が侵入し、コンクリート内部の鉄筋を腐食させている。現地見分の際に裁判官も見ていた基礎梁コンクリート打ち継ぎ部のコア抜き調査では南辰が抜いた4箇所の水平打ち継ぎ部のコアは4本ともすべて打ち継ぎ部で割れた。大覚は水平、鉛直、各階の打ち継ぎ部で合計9箇所のコアを抜き、やはりすべて打ち継ぎ部で割れた。その他にも大覚がこれまでコア抜き調査した50箇所以上のすべてで打ち継ぎ部はくっついていなかった。基礎部の防水工事も手抜きだった。大覚が緑色の水を外側から流すと、防水施工がされておらず、隙間を通って、地下ピット内部に流れてきた。屋上の防水施工にも不備があり、防水が出来ていなかった。大覚が検査をすると、14階室内に滝のように雨漏りが発生した。
これらのずさんでデタラメな工事をしておきながら、「瑕疵は一切ない」と今でも言っている。一度も手直し工事をしていないのに、「誠心誠意対応しました。大覚さんが過剰な手直し要求をしています」と自分たちが被害者で大覚が加害者であるかのように世間にウソをばら撒いた。関西を代表する上場会社の北海電鉄のグループ企業が、詐欺まがいの工事をしたことを反省せず、今でもウソを言い続けている。
体重を支えるべき点検用のタラップ(梯子)が、グニャリと曲がったままになっている。南辰は立体駐車場のメンテナンスに必要なタラップの仕様を勝手に変えて、このような危険なタラップ(梯子)を設置した。
契約図面にある点検用のタラップは、前の写真のような駐車場機械の柱に片側だけを溶接した、人を支える事が出来ない危険なタラップではなかった。
契約図面にはこの写真のようなステンレス製の頑丈なタラップがつけられるはずだったことがわかる。南辰は勝手に仕様を変え、品質を落とし、安全性をないがしろにしたずさんな工事を繰り返していた。
見かけだけのタラップは簡単に折れ曲がったままだ。立体駐車場地下ピットは漏水により水没し、使い物にならない。
訴訟が始まると、前年まで南辰が工事中、大津京ステーションプレイスの建物各所にばら撒いていた悪の種が次々に芽を出し、瑕疵工事の実態が明るみに出てきた。この年、大覚が建築専門家、調査会社に依頼して本格的に建物調査を進めると、南辰は手直し工事に着手しなかっただけでなく、手抜き工事、ずさんな工事を繰り返していたことが分かってきた。そして、ついに、このマンションが耐震構造上重大な瑕疵のある、危険な建物である事が明らかになっていった。
裁判開始から8年の歳月を経た今でも、立体駐車場の漏水は止まらず、一年に数回、溜まった水を地下ピットから汲み出している。激しい漏水によりすぐに閉鎖しなければならなかった立体駐車場の機械は錆び、漏水とともにコンクリート内部から流れ出た鉄筋の錆び汁、コンクリート成分(エフロレッセンス)が混じり、ヘドロのようにピット底に堆積している。
立体駐車場地下ピットに溜まった水をポンプで汲み出すと、水に浸かって腐食したチェーンからボロボロと錆びが落ち、機械周辺を赤く染めた。
立体駐車場ピット底のパレットを支える柱。コンクリート打ち継ぎ部の隙間、貫通クラックの隙間から絶えず侵入している地下水がコンクリート内部の成分(エフロレッセンス)を運び、機会にこびりついている。
事故の起きた機械のパレット支柱を上から覗く。定位置から大きくずれている。地下ピットには絶えず地下水が漏水し、プールのように水浸しになっている。訴訟開始から8年が経過し、立体駐車場の機械、チェーンは錆び、調査のために動かしただけで、チェーンが外れてしまった。
(覚くんの想い)
そんな企業がカジノ法案の組織の中枢に入れば、とんでもないことになりますよ。国民は骨までしゃぶられますよ。北海電鉄グループの組織はアメリカのMのような組織ですね。中小企業を餌食にして資産を奪い、倒産に追い込み、闇から闇に葬るのですか? そんなことしたら、ダメですよ。北海電鉄の会長さん、南辰の社長さん、高野山の弘法大師が黙っていませんよ。神様も黙っていませんよ。
中小企業の社長さん、弁護士に任せたら、裁判は負けますよ。自分自身が創意工夫して一生懸命取り組まなければなりませんよ。弁護士は法律の知識を持っているだけですよ。口で言っていることとやっていることが少し違いますよ。知恵はこちらの方がありますよ。すべての調査は当事者が行い、自己責任で証拠を揃え、調査資料・証拠資料を弁護士に渡すと弁護士はそれをアレンジして書くだけですよ(少しは工夫してくれるかもわかりませんが)。当事者が責任をもって証拠書類を手配・作成し、依頼者自身が裁判に勝つための戦略を考えなければなりませんよ。裁判は自分自身が弁護士ですよ。そして弁護士を使わなければなりませんよ。弁護士はそこまでやってくれませんよ。弁護士はなかなか依頼者の意を汲んでくれません。依頼者が一生懸命作った調査書類・証拠書類をきちんと読んでくれるように、あなたが努力しなければなりませんよ。だから当事者自身が十分に気をつけて裁判を闘わなければなりませんよ。
事故の起きた機械のチェーン。正常であればチェーンはピンと水平に張っている(黄色枠内写真)。事故機の方のチェーンはギアから外れ下に垂れ下がっている。
柱部分のジャンカ。南辰がJIS規格外の違法で粗悪な生コンを使用していたため、構造体コンクリートのいたるところでコンクリート不良が発生している。
基礎部に数多くのクラックが存在している。南辰はクラックが発生しやすいJIS規格外の違法で粗悪な生コンを使用していた。また、ずさんな施工で耐震スリットの位置がずれたことによりクラックが発生するなど、その原因は様々だ。
コアを抜いてクラックの原因を調査すると、コンクリート内部で耐震スリットが変形していた。歪んだスリットは異物でしかなく、クラックが発生する原因となった。建物にとって致命傷になった。
<残された疑問>
■疑問1■
一審を担当した一遍弁護士は口を開ければ「勝てる。勝てる」と言っていました。「建て替え一本で勝てる」と専門委員と口裏を合わせ、私たち依頼人にはそればかり言っていました。
■疑問2■
大覚の担当者が構造以外の瑕疵についての資料を持っていくと、「Kさん、何が言いたいのですか」とまったく取り合ってもらえなかった。
「建て替え一本で勝てます。構造NGの資料だけを持ってきなさい」と言われ続けました。
一遍弁護士は裁判にはいつも遅れてきて、一切反論などしませんでした。裁判後の打ち合わせもほとんどありませんでした。一遍弁護士事務所に打ち合わせに行くと、いつもわけのわからない音楽が流れていました。
「打ち合わせに集中できないから、音楽を止めてください」と頼むと、「この音楽で頭がすっきりするのです」とはぐらかされました。話合いはいつも中身がなく、「勝てる。勝てる」を繰り返していました。
クラックの深さを調査するためにコンクリートコアを採取した。クラックはコンクリートを貫通していることが確認された(貫通クラック)。
壁側に設置されるべき耐震スリットが柱の方にめり込んでしまっている。そのため、柱のコンクリートに断面欠損(柱のコンクリート寸法が耐震スリット分小さくなっている)が生じ、強度不足になっている。耐震スリットの施工不備は、南辰が品質管理、施工管理、検査を実施していないことに原因がある。
壁側にあるべき耐震スリットが柱にのめり込んでいる。このような耐震スリットの施工不備は分かっているだけでも75箇所に及んでいる。南辰には安全性の確保という、建設に携わる者にとって基本となるべき考えが欠如している。
■疑問3■
一審の最終弁論では証人尋問もありませんでした。裁判官とは一度だけ話したことがあります。裁判官から質問されたときの事です。
「直す気がありますか」
「あります。しかし、補修は第三者のゼネコンに頼みたい」
そう答えただけなのに、突然、裁判官は机を叩いて言いました。
「はい、この話は終わり」
「私が何か言いましたか。第三者に補修を依頼したいと言っただけですよ」と覚くんが言うと、裁判官はまた机を叩きました。
「はい、この話は終わり」
そう言うとすぐに裁判官は退室しました。
裁判官はこの時、覚くんから違う返事を期待していたのでしょう。補修を望んでいるという想定外の答えが返ってきたので、言葉が出ず、机を叩き、「この話は終わり」と話を打ち切ったのです。
■疑問4■
一審では構造専門の薮田氏ら4人の建築専門家に合計約1200万円を支払って建物調査を依頼し、調査報告書まで書いてもらったのに、薮田氏は南辰と一緒に仕事をしていました。後になって分かったことです。
4人の建築専門家を連れてきた一遍弁護士は北海電鉄の沿線に住んでいたことがわかりました。一審の3年間、裁判には常に遅れてきて、何もしゃべりませんでした。いつも酒臭く、事務所ではわけのわからない音楽をかけていました。最後まで「勝てる。勝てる」と言い続けていました。
南辰は建物の完成・引き渡しをしていません。瑕疵を直さず、手直しもせず、完成したと言っておきながら竣工図を施主に提出していません。竣工図は裁判が始まってから出してきました。
弁護士、建築専門家、南辰が大覚に言っていたこと、やっていたことのすべてがデタラメでした。一審の3年間を振り返ると、弁護士、建築専門家は、言っていたこととは裏腹に大覚が敗訴することを知っていたかのようでした。誰かが、あるいは何かが裏で糸をひいていたのだろうかと思わせることばかりでした。
一審敗訴後、弊社は建築訴訟において「建て替え」はなかなか認められないことを知りました。薮田氏ら4人の建築専門家は大阪地方裁判所の専門委員をしていたのですから、建て替え主張が通らない、通りにくいことを誰よりも知っていたはずです。しかし、弁護士からも、4人からもそのような話は一切なく、最初から「建て替え一本で勝てる」と言われたのです。
南辰とつながっていた薮田氏らが大覚に近付いてきた目的は何か? 裁判所が複雑な建築理論を理解するために専門委員が補佐し、裁判を円滑に進め、訴訟の早期解決を図るために専門委員制度があります。それまで建築訴訟の経験のない弊社は、大阪地裁から厚い信頼を得ているという専門委員の薮田氏らから協力が得られるというだけで、百万の兵を得たように感じました。そのため法外な調査費用を要求されても、ためらうことなく支払いました。それこそが藁(わら)をもすがる思いの弊社の弱みにつけこんだ薮田氏らの手口でした。弊社から搾れるだけ搾り取ってしまうと、だんだんと疎遠になっていきました。元々いい加減な調査であることが裁判でばれ始め、南辰に対して反論できなくなっていくと、一審は南辰の描いたシナリオ通りになっていきました。最後には、化けの皮が剥がれてきたことに気付き、「これ以上協力できません」と捨てゼリフを残して立ち去っていきました。ひどい話ですね。これは詐欺事件ですね。
立体駐車場3階の構造体コンクリートの梁に木の残材が埋まっていた。他にもゴミ、ガムテープなどが埋まっている箇所が数多くみつかっている。
電気配線が切断され、むき出しのまま放置されていた。常識では考えられない工事だ。実際に電気が通っているかは不明であるが、仮に使われていない配線であったとしても、この様な状態で放置せず、適切に処理をするべきである。南辰の工事はずさんすぎる。
これだけ大量の電気配線ならケーブルラックなどを設置し、その上に電気ケーブルを固定させるなど安全性を考慮した施工をしなければならない。南辰の工事はずさんすぎる。
大量の電気配線の重みでガス管に負荷がかっている。安全性を無視した、常識ではとても考えられない電気工事だ。ガス管が電気配線の重みで少しでもずれでもすれば大きな事故につながる。何十本もの電気配線がそれ自体の重みで破損してしまうかもしれない。漏電火災や感電事故を引き起こすために南辰が悪の種を蒔いたのだろうか?
工事で使われた仮設照明が乱雑に配線された電気ケーブルとともに撤去されることなく放置されている。
■疑問5■
一審判決前に打ち合わせをしていた時、最後に一遍弁護士が言いました。
「うちが出した構造計算に反論がなかったので、うちが勝ちました。裁判官は今頃、大覚が勝訴する判決文を書いています」
ところが、一審判決は大覚の全面敗訴でした。「納得がいかない。それに、判決日だというのに一遍が裁判所に来ていなかったのはなぜだ」
すぐに弁護士事務所に行き、必ず勝訴すると聞いていたのになぜ敗訴したのか説明を求めました。一遍の返事は実にそっけないものでした。
「裁判はこういうものです」
「あれほど『勝つ、勝つ』と聞かされていたのですよ。あなたが言ったのですよ」
覚くんの言葉など意に介さず、一遍は平然と同じ返事を繰り返しました。
「裁判はこういうもの。負けたのだから払いなさい」
こみあげてくる怒りをやっとの思いで抑え、覚くんは一遍に聞きました。
「遅延損害金とはなんの話ですか? 一日60万円を払えとは一体なんのことですか?」
一遍は、やはり質問には答えず言いました。
「裁判はこういうもの。負けたのだから払いなさい」
人を挑発するような言い方、態度に怒りで身が震えました。
こんな弁護士に引っかかったらおしまいです。身ぐるみはがされるのがおちです。
皆さん、十分に気をつけてくださいね。弁護士は法律の知識があるだけなんです。こちらが知恵を出し、弁護士を指導しなければなりませんよ。それくらいこちらがしっかりとものを言わなければ弁護士は動いてくれませんよ。使うのはこちらですよ。
多くの案件を抱えている弁護士はこちらを一顧客としか見ていません。また、弁護士もあくまで商売人ですから、こちらが苦しんでいる時に親身になって考えてなどくれません。勘違いしたらダメですよ。
弁護士は自分自身です。当事者が自分自身で創意工夫して頑張らなければ裁判には勝てません。こちらがどんなに窮地に追い込まれていても、弁護士にとっては他人事です。自分自身で解決方法を考え、決断しなければなりませんよ。「きっと、弁護士さんがうまい解決策を考えてくれる」、「この弁護士さんに任せておけば一安心だ」と思ったら大間違いです。多くの弁護士は法律の知識をひけらかし、法律用語を並べ立ててクライアントを煙に巻いているだけです。中には心ある弁護士さんもいると思いますが、クライアントに説明責任を果たす良識ある弁護士、信頼の置ける弁護士にめぐり会うことはごく稀です。むしろ、言葉巧みにとんでもない方向に持っていかれることが多いですから、気をつけてください。「勝てます」などともっともらしく喋る弁護士には特に注意が必要です。断じて弁護士に頼ってはいけませんよ。
それにしても、南辰っていったいどんな会社なのでしょう。南辰はなんでもやってくる会社なんですね。北海電鉄グループ企業、南辰はまるでアメリカのMのような組織です。
なぜ、そうなのかということを次回詳しく説明します。
きっといい勉強になりますよ。
乞うご期待!!