マンガ版「覚くんの日記」第3話
マンガ版「覚くんの日記」証人尋問シリーズ 第5話 (最新号)
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覚(さとる)くんの日記
~ 二五五五日の闘い ~
(連載第3回)
目 次
第二章 南辰と裁判に潜む魔物たち ・ 前編
~南辰の悪意に満ちた四つの企み~
<マンションに時限爆弾を仕掛けた南辰>
●電気室
●防風スクリーンの落下
●地下ピット
●屋上工事の不備
①合計千三百五十箇所の手直し工事を再三の要請にもかかわらず、いっこうに着手せず、突然、現場から撤退し、唐突に提訴してきた。その理由とは?
覚くんは大津市に調べてもらうようお願いに行った。
大覚は大津市内で一番大きな公園の中にある高台の三千坪の土地でシニアマンション建設を計画していた。
南辰が送り込んだT社が土地を落札し、大規模な造成工事を行っている。
大覚は以前この土地をドッグランとして運営していた。料金は一日百円で約三千坪の土地を京滋の動物愛好家のために開放していた。地元の方々の楽しみをなくしてはいけないと、大覚がシニアマンション建設の計画を先延ばしにしていたところ、そんなことなど意に介さず拝金主義集団は平気で乗っ取りに来たのだ。
多くの地元の動物愛好家に愛されていたドッグランの案内
京都市山科区の薬科大学から歩いて五分のところに大覚のマンション建設用地があった。
女性用ワンルームマンションは工事着工直前で、パンフレットも準備でき、いつでも販売できる状況だった。
大覚がかつて所有していた京都市山科区のマンション建設用地は今でも更地(さらち)のままだ。
南辰は事前にかなり調査しなければ分からないような、大津京駅に近い分譲マンションの一室すら仮差し押さえしてきた。
③施主検査の日程・進行を意図的に遅らせ、屋上、電気室、地下ピットなどの共用部検査を執拗(しつよう)に拒(こば)んだ。その理由とは?
防水検査では防水層の下に雨水が入り込みウォーターベッドのようになった。
六千六百ボルトという高圧な電気が流れる電気室に水の配管が設置されていた。
十四階から落下した防風スクリーンの残骸(ざんがい)
近隣マンション駐車場の車五台に防風スクリーンが直撃し破損した。
南辰の社長から管理組合に届いた書面(下に拡大図あり)
南辰の社長から届いた書面には「瑕疵は存在せず」と書かれていた。
周辺住民に与えた損害はマンション管理組合が約百七十万円を支払って弁償した。
南辰が補修した結果は触れば手が切れるような危険な状態だった。
マンションの西側にはJRと京阪電鉄の駅があり、駅に落下していたら大惨事になっていたかもしれない
入居から半年足らずで地下ピットが水浸しになった。漏水は今でも続いている。
パレットが点検口(てんけんこう)に載っていて点検口の蓋が開かない。
点検口の下に設置されているタラップは片側しか溶接されておらず、強度が十分でないため手でも簡単に折れ曲がってしまうという、非常に危険なものだった。タラップは六十センチ間隔で設置されているが、安全を確保するには通常は三十センチ間隔で取付けなければならない。昇降スペースも非常に狭く、チェーンやパレットが邪魔で昇り降りするのに支障がある。
漏水の跡が残る地下ピット内のコンクリートひび割れ
地下ピット内ではコンクリートにひび割れやジャンカが多数見つかった。
パターゴルフ場のように波打っているマンション屋上
パターゴルフ場ならば起伏(きふく)のあるコースは不思議ではないが…
雨水貯留槽の点検口をあけるとものすごい水が轟音とともに滝のように落ちていた。
雨水貯留槽の点検口の下に設置されたタラップは途中から針金でボロボロに錆びている梯子が括られていた。
平成二十四年十二月ごろ、「来年の二月二十六日に判決を言い渡します」と裁判官に突然言われた。
その言葉が意味するところは何か???
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■連載第4回:『第二章 南辰と裁判に潜む魔物たち ・ 後編 ~裁判には莫大な資金と労力、時間が要求されます。弁護士は自分自身です~』